あなたの「好き!」に、日本酒が答える!

sake_answers

~02.季節感や旬が好きなあなたへ~

私は日本全国各地や海外などにも出張に出かけますが、美味しいものが大好きですから、その土地のオススメの店でよく食事をします。その上で、日本ほど春夏秋冬、山川海、鮮度抜群で美味しい食材が豊富にそろっている国はないのではないかと感じるのです。もちろん、海外にも美味しい料理はいくらでもあります。しかし、①食材そのものの圧倒的な鮮度の良さ、②春夏秋冬、山川海、旬の食材のバリエーションの豊かさ、の2点を重ねれば、絶対に日本が一番だと私は思っているのです。そして、健康で長生きする秘訣として、前項にて「身土不二」という考え方をご紹介しましたが、実は健康で長生きする秘訣はもうひとつあるのです。それは、旬のものを食べること。実は旬の食材には、天の配剤としか言いようのない、見事に理にかなった効用があるのです。例えば、春にはタケノコやワラビなどの山菜類や稚魚類や貝類が旬になります。そしてそれら春の食材は、自然の生命力にあふれているのが特徴です。春の大地の生命力や、春の大海の生命力のおすそ分けをいただくことにより、寒い冬の間に鈍っていた身体を活性化させ、新陳代謝をうながし、身体をシャッキリと目覚めさせてくれるのです。なんと理にかなっていることでしょう。暑い夏には、体調を崩したり夏バテになる人も少なくありません。そんな季節には、余分な熱を取って身体を冷やし、汗で失った体液を補充してくれる旬の果菜類が最適なのです。中でもキュウリやゴーヤなどのウリ類は、腎機能を助け利尿作用もあります。またこの季節は食あたりや食中毒が多い時季でもありますが、シソや梅干しなどが旬となり、防腐効果や解毒効果を発揮してくれるのです。なんと理にかなっていることでしょう。秋になると、イモ類、キノコ類、脂ののった魚類など、旨みが豊富で栄養価も高い食材がズラリと出そろいます。その旨みと栄養価が、夏にたまった疲れを吹き飛ばし、これから寒い冬に向かうための身体づくりに効果を発揮してくれるのです。なんと理にかなっていることでしょう。寒い冬になると、カブやダイコンなどの根菜類やブリ、フグ、クエなどの鍋物や汁物、煮物などにピッタリの食材が旬をむかえます。これらを食すると、冬の冷えた身体を温め、血のめぐりを良くする効果が発揮されるのです。なんと理にかなっていることでしょう。
 つまり「身土不二」と「旬」、自分の生まれ育った国でとれた食材で、旬のものをいただくことこそが、健康で長生きする秘訣だということになるわけです。ちょっと考えれば分かることですが、間違いだらけのどこかの健康番組のように、単品の食材で健康になることなどあり得ないのですから。そしてさらに、そんな自分の生まれ育った国でとれた旬の食材こそが、本当に美味しいものなのではないでしょうか。国内でとれた食材は、鮮度は抜群ですから美味しいはずですし、作り手の顔も見えて安心でしょう。そして、旬の食材は当然他の時季のものよりも圧倒的に美味しいのです。旬をはずれた時季にも作ったり取ったりしようとするから、農薬や添加物が必要になったりするのですから、旬の食材は安心・安全であるとも言えるでしょう。つまり、「身土不二」と「旬」、自分の生まれ育った国でとれた食材で、旬のものをいただくことこそが、美味しいものであり、かつ安心・安全であり、それこそが健康で長生きする秘訣なのです。そして日本には、そんな「身土不二」と「旬」を兼ね備えた本当に美味しい食材が、ズラリと豊富に存在しているのです!
 さてここで、質問です。あなたは美味しいものをわざわざマズくして食べたいと思いますか?「そんな人、いるわけないじゃない!」と言われるかもしれませんが、ではあなたが食事をされている場面を思い出してみてください。特に夕食の場面です。・・・思い出していただけましたか?あなたは何でもかんでも、どんな料理の時でも、ビール(または発泡酒や第3のビール)を飲んではいませんか?実はそれは、料理によっては、せっかくの美味しいものをマズくして食べていることになるのです。例えば、鮮度抜群で美味しい旬の刺身を、ビール類を合わせて食べてはいないでしょうか?春の山菜料理を、夏のアユの塩焼きや初ガツオのタタキを、秋のサンマの塩焼きを、冬のフグのお造りを・・・ビール類でやってはいませんか?また、居酒屋などで突き出しに出てくる酒盗(カツオの内臓の塩辛)などの珍味を、ビール類でやってはいませんか?実はそのような旬の生魚、内臓が美味しい焼き魚、魚類の塩辛系の食べ物などは、ビール類と相性が良いとは言い難く、圧倒的に日本酒が合うのです。誤解しないでいただきたいのですが、たまたまビール類を例に挙げましたが、別にビール類を批判している訳ではありません。ソーセージやフライドチキンやギョウザなら、それはビール類が最高でしょう。また、暑い夏に飲むキンキンに冷えたビールの美味しさには、どんなお酒もかなわないと思います。要は、お酒と料理には相性の良し悪しがあり、組み合わせを間違えると、美味しいものをマズくして食べることになりますよ、と言いたいのです。
 そして、世界中のアルコール飲料の中で、日本酒ならではの一番の特徴は、「旬がある」ということです。「旬がある」とは、次のような意味です。まず、日本酒には古来より、春には「花見酒」、夏には「滝見酒」、秋には「月見酒」、冬には「雪見酒」という具合に、自然の四季の移り変わりを愛でながら楽しむ風習がありました。さらに日本酒自体にも四季が、季節感が、旬があるのです。春には春霞のような「薄にごり」の「霞酒」やフレッシュで軽やかなな「しぼりたて新酒」、夏には軽快でなめらかな味わいの「生酒」や「生貯蔵酒」、秋には熟成して旨みタップリとなった「ひやおろし」、そして冬には「燗酒」や「しぼりたて原酒」という具合に、その季節にしか味わえないような旬の日本酒が存在しているのです。
 さらにそれぞれの旬の日本酒は、見事に旬の食の効用を促進させ、しかも旬の食と見事にピッタリの相性を示すのです。これもまさに、天の配剤としか言いようがありません。春の「霞酒」や「しぼりたて新酒」(アルコール度数15度程度のものが良い。)は生命力にあふれ、冬の間に動きが鈍っていた内臓を活性化させてくれますし、春の山菜料理などの旬の食材が持つほのかな苦味と抜群の相性を示し、その美味しさをさらに引き出してくれます。夏の「生酒」はフレッシュで爽やかな香味を持ち、身体を冷やす効果が高く、食欲を増進させてくれますし、夏の果菜料理などの旬の食材が持つサッパリ感と抜群の相性を示し、その美味しさをさらに引き出してくれます。秋の「ひやおろし」は熟成したリッチな味わいを持ち、これから寒い冬に向かう身体づくりに効果がありますし、秋の旬の食材の旨味タップリの味わいと抜群の相性を示し、その高い栄養価と美味しさをさらに引き出してくれます。冬の「燗酒」は全身に沁み込む旨さを持ち、身体を温める効果が高いですし、冬の根菜料理などの旬の食材が持つ優しい旨味と抜群の相性を示し、その美味しさをさらに引き出してくれます。また冬の「しぼりたて新酒」の原酒タイプも、リッチな旨みがあり、「燗酒」同様に冬の食材と好相性を示します。ビール類にこのような季節感や旬、あるいはこのような理にかなった季節ごとの効用があるでしょうか?ワインにはあるでしょうか?焼酎には?ウイスキーには?ブランデーには?カクテルやリキュールには?・・・季節感や旬、そして理にかなった季節ごとの効用は、世界のアルコール飲料の中で唯一日本酒のみに与えられた、最大の特徴なのです。
 ところで、旬の日本酒などと言われても、「お酒は、1年中同じ銘柄の定番酒に決めている」という方もいらっしゃることでしょう。そういう方のためにも、日本酒は底力を発揮するのです。同じ銘柄の定番日本酒であっても、春や夏は新酒傾向があり、秋や冬は熟成酒傾向がありますから、そのままでも少しは旬の料理とマッチする傾向を持っています。これを、季節によって飲む時の温度を変えてあげるだけで、一層旬の料理と見事な相性を示すようになるのです。春は「常温」(20℃程度)や「涼冷え(すずひえ)」(15℃程度)で、夏は「花冷え(はなひえ)」(10℃程度)や「雪冷え(ゆきひえ)」(5℃程度)で、秋は「常温」(20℃程度)や「人肌燗」(35℃程度)で、冬は「ぬる燗」(40℃程度)や「上燗(じょうかん)」(45℃程度)でという具合に、季節に合わせて温度を変えて楽しんでみましょう。定番の日本酒であっても、見事に旬の料理と好相性を示し、驚かれることでしょう。日本酒は、様々な温度で楽しむことが可能な、世界でも稀なお酒でもあるのです。なんとありがたいことでしょう。
 かつての「イッキブーム」はどこへやら、もはや酔うためだけに飲んだり量を飲んだりするという時代ではありません。よく「日本酒は悪酔いする」とか「日本酒は次の日に残る」などと言われますが、それは明らかに飲み過ぎているだけのことです。当たり前のことですが、どんなお酒であっても飲み過ぎれば悪酔いするし、次の日に残るのです。これからの時代にふさわしいのは、そういう飲み方ではなく、またお酒を中心に考えるのでもなく、美味しい食事をさらに美味しくしていただくために日本酒をうまく利用しましょうということだと、私は思っています。これほどの四季折々の美味しい旬の食材に恵まれた日本に生まれ育って、その楽しさや豊かさを知らずして何の人生でしょう。しかもそれらの美味しい旬の食材を、わざわざマズくして食べるなんて、なんともったいない話しでしょう。日本の美味しい旬の料理を、さらに美味しくしていただくために日本酒をうまく活用しませんか。日本人にとって、「身土不二」であり、「旬」の美味しさや効用があり、かつ季節に合わせて様々な温度で楽しめるお酒は、日本酒だけなのですから。そしてそんな食生活こそが、きっとあなたの人生を一層健康で楽しく豊かにし、あなたの毎日の生活をモノクロからフルカラーへと変えてくれ、人生が幸せに導かれていくことでしょう。
 ところで、前項にて「日本酒と料理のマッチング」の基本には、さらに知っておくと大変得する秘訣があと2つあるとお伝えしましたが、それを➄と➅で表すなら、以下のとおりとなるでしょう。
  • ➄旬の食材を使った料理には、その旬の日本酒が最適。
  • ➅季節に合わせて日本酒の飲用温度を変えれば旬の料理と好相性。
 尚、こちらにまとめとして、<表2>「日本の食と日本酒・旬の一覧表」も掲載させていただきましたので、有効にご活用いただけましたら幸いです。