あなたの「好き!」に、日本酒が答える!

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~10.お酒に弱い、または日本酒嫌いのあなたへ~

 お酒に弱いあなたでも、またはどうしても日本酒が嫌いなあなたでも、日本酒が好きになれる飲み方があります。それは、ロックやカクテルにして楽しむという方法です。意外かもしれませんが、実は日本酒は、ロックやカクテルにしても美味しく楽しむことができる、とても自由な酒類なのです。まずはロックですが、実は私が夏場に焼肉を楽しむ際には、自社の超辛口の純米酒をロックでいただくことが多いのです。美味しい肉の旨みをしっかり味わうには日本酒の超辛口のロックが最適だと思っています。確かに夏場は暑いですから、最初の1~2杯はキンキンに冷えたビールをいただきますが、それ以上ではビールの美味しさが半減し、何よりビールでお腹がいっぱいになってしまいますので、それ以上はいただきません。チューハイ系も甘さが肉の旨みを半減させ、こちらも炭酸でお腹が張ってしまいますから、私は避けます。マッコリは、私は焼肉には濃すぎると思っています。焼酎のロックや水割りでは、味がなさ過ぎて物足りないと感じてしまいます。ではストレートの日本酒はどうかというと、そのままではアルコール度が高すぎてスグに酔ってしまうし、もう少し甘みを減らしたいと思いました。そんなこんなで発見したベストな選択が、超辛口純米酒のロックだったのです。もともと糖分が少ない超辛口のロックなら、焼肉に合わせた時の甘みがピッタリで、アルコール度も少し下がって、グイグイいけるのです。肉の美味しさも最後まで堪能できて、私にとっては焼肉の最高のパートナーは、日本酒ロックなのです。
 続いては、とても簡単な日本酒カクテルをご紹介しましょう。まずは「ナマザケ・ミント」です。こちらも夏場がお薦めです。生酒(本醸造・純米等が最適。生貯蔵酒でも可。香りの高い吟醸タイプはあまり向かない。)をキーンと冷やし、グラス(フルートタイプのシャンパングラスやワイングラスなどが最適。)に注ぎます。そして、生ミントの葉を少しちぎり、それを手のひらで叩いて(こうすれば細胞がつぶれて香りが立つ。)、酒の中に入れます。これだけで完成する、超カンタンなカクテルです。美味しさのポイントは、ミントの爽やかな風味が加わり、たったこれだけのことで全く別の飲物になるという点でしょう。大変インパクト大です。特に夏場にいただくと後口がミントでスーッとして、とても爽やかです。このミントの爽やかな風味のお陰で、日本酒が苦手な方でも美味しく飲めるのではないでしょうか。それでいて、日本酒本来の味わいも壊さない、優れモノのカクテルであるといえるでしょう。
 また、私が「シトラス・リップ・サケ」と呼んでいるカクテルも、とても簡単でお薦めです。料理に添えられている、レモンやライムや柚子などの柑橘類を、日本酒の入ったグラスのフチにチョコッと塗るだけです。その塗った部分のところに口をつけていただけば、日本酒に柑橘類の香りや酸味が加わり、これまたとても爽やかで美味しいのです。日本酒のグラスの中に柑橘類の果汁を直接搾り入れると、酸味が勝ち過ぎて日本酒本来のバランスが崩れてしまう場合が少なくないのですが、この方法ならバランスが崩れることはほとんどありません。こちらのカクテルも、フルーティな香りを持つ吟醸酒系ではなく、そのような香りの少ない純米酒や本醸造酒などがお薦めです。
 次に、その「シトラス・リップ・サケ」のアレンジともいえますが、「スノースタイル・サケ」もお薦めです。まず、グラスのフチにグルリとレモンやライムや柚子などの果汁を塗り、そこにさらに塩を付着させます。「ソルティ・ドッグ」の要領で、皿に盛った塩の上にグラスをチョンとかぶせると適度に塩が付きます。そのグラスの中に冷やした日本酒を注ぎ、完成です。美味しさのポイントは、「シトラス・リップ・サケ」と同様ですが、そこにもうひとつ、塩が加わります。これはある意味、かつてオジサンたちがやっていた、枡酒に塩を盛って飲むという飲み方をスタイリッシュにした飲み方だともいえるでしょう。日本酒は塩との相性もバッチリなのです。ちなみに、ブルーなどの色のついたグラスを使うと、塩の白い色が雪のように映えて美しいので、スノースタイルと呼ばれているのだそうです。
 ここから後は、本格的な日本酒カクテルもご紹介しておきましょう。尚、以下のレシピは、平成23年4月20日銀座にオープンし、以来若い方々や日本酒があまり得意ではない方々にも大好評で、いつも大人気で満席状態となっている、世界初の日本酒カクテル専門バー「SAKE HALL HIBIYA BAR(サキ・ホール・ヒビヤ・バー)」(http://www.hibiya-bar.com/)のレシピです。ちなみに同店では、「SAKE」を「サキ」と発音していますが、これは特に欧米人の方が発音した場合、「SAKE」の発音が「サキ」となることに由来しています。まず、同店が日本酒カクテルを作る際のポイントは、以下の3つです。
  • ➀レシピの基本は1:1。トニックorソーダ割り。
     日本酒と割りものの比率は1:1が基本。日本酒をカクテルの総容量の半分程度使うと、その日本酒の個性を活かしながら、しっかり整った味に仕上がります。
  • ➁リキュールは1tsp。色味と風味をちょい足し。
     リキュール類を入れるときには、ティースプーン1杯(約5ml)程度に抑え、あくまで日本酒ベースの味に仕上げることがポイントです。
  • ➂旬の果実と旬の日本酒で「ミスト」カクテル。
     旬のフルーツをグラスに入れて潰して、旬の日本酒とクラッシュドアイスを入れるだけ。四季折々の旬がある日本酒だからできる、季節感たっぷりのカクテルで、いろいろなフルーツで楽しめます。
 次に、同店で一杯目の乾杯の際に最も注文され、かつ同店人気ナンバーワンのカクテルをご紹介しましょう。それは、「サキニック」と命名された日本酒カクテルです。タンブラーに氷を入れ、日本酒60mlと、ソーダ30mlとトニックウォーター30mlを注ぎ、オレンジツイスト(オレンジ1個から16本ほど作れます。)を加えて完成です。爽快感たっぷりで、乾いた喉を心地良く潤してくれ、ビール以上に取りあえずの一杯にお薦め。日本酒ベースなので料理にも合い、シンプルながら飽きのこない素直な味わいが魅力です。
 最後にもう2点ほど、同店で人気の日本酒カクテルをご紹介しておきましょう。「サキ・カシストニック」は、タンブラーに氷を入れて、日本酒60mlとトニックウォーター60mlを加え、カシスリキュールを1tsp(約5ml)加えて、レモンスライスを飾り用(搾り入れない)として加えて完成です。甘酸っぱいカシスの風味とキレイな色味が、トニックウォーターの苦味と日本酒のまろやかさにプラスされた大人の味です。「フレッシュ・トマト・ミスト」は、旬のトマト(約1/4カット)をグラスに入れて潰し、日本酒60mlを注ぎ、調整程度にシュガーシロップ(1tsp程度)を加え軽くかき混ぜ、クラッシュドアイスをグラスの縁まで加えて完成です。ミントなどを飾ると一層本格的になります。予想外の美味しさと料理との相性の良さに驚くこと必至でしょう。
 お酒に弱いあなたでも、またはどうしても日本酒が嫌いなあなたでも、もし日本酒ロックや日本酒カクテルを、美味しいと感じていただけたなら、きっとあなたの幸せの発見回数は格段に増えていくことになるでしょう。そして「今この瞬間の幸せ」に気づく力が養われ、あなたの人生は幸せに導かれていくことになるのです。