あなたの「好き!」に、日本酒が答える!

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~11.まったく飲めないあなたへ~

 アルコールを受け付けない体質のため、まったくお酒が飲めないというあなたでも、日本酒を活用して幸せになる方法が、実は存在しています。それは、日本酒を調味料として料理に使うことです。実は日本酒は、あらゆる料理の美味しさをグッとアップさせる、最高の調味料でもあったのです!料理の基本として、「さ・し・す・せ・そ」というのをご存じでしょう。これは、料理の際に使う調味料の順番で、「さ:砂糖」「し:塩」「す:酢」「せ:醤油(せうゆ)」「そ:味噌」の順に入れると、より美味しくなるというものですが、実はこの「さ・し・す・せ・そ」の前に、もうひとつ「さ」があり、「さ・さ・し・す・せ・そ」というのが本当の基本だということは、ご存じだったでしょうか。その一番最初の「さ」が、実は「酒(日本酒)」なのです。日本酒は、食材の臭みを消したり、味や香りを食材に染み込みやすくしたりする効果があるため、一番最初の砂糖よりも前に入れるべきなのです。ただし、スーパーなどで比較的安価で販売されている「料理酒」の中には、塩が入っているものや、アルコールに糖類や酸味料などを加えて合成的に造られた合成清酒などがありますから、注意が必要です。料理酒と日本酒は似て非なるものであり、料理酒ではなく本物の日本酒を調味料に使うことで、料理のレベルが格段にアップするということなのです。また、火を加えてアルコール分を飛ばしてしまう料理なら問題ないのですが、最後の仕上げに日本酒を振りかけたりする場合には、アルコール分が残りますから、アルコールを受け付けない体質の方は、そのような使い方は避けてください。
 そして、日本初の公認スポーツ栄養士で日本酒スタイリスト、こばたてるみさんの著書「日本酒は最高の調味料!『ひと振り酒』驚きメソッド&おいしさ倍増レシピ」(こばたてるみ 著 日本酒造組合中央会 監修 ブルーロータスパブリッシング 発行 1,280円+税 2013年5月1日初版発行)という書籍が、和・洋・中・スイーツと様々な料理に日本酒を調味料として使って、美味しさを格段にアップさせるレシピが満載で、大変参考になりますので、超お薦めです。
 ではまず、その書籍の中から、「日本酒は最高の調味料!『食べる日本酒』がいい理由」を、以下に掲載させていただきましょう。
  • ●麹発酵パワーが効いていつもの料理で健康増進!
    日本酒の原料である麹に含まれる必須アミノ酸は9種類。日本酒の麹パワーで、疲労回復(ビタミンB6など)、ストレス軽減(ギャバなどのアミノ酸)、便秘解消(乳酸菌による)、老化予防(活性酸素の中和作用)、美肌効果(活性酸素を抑えて、腸内環境も整える)が期待できます。
  • ●材料のうまみを引き出すから減塩効果あり!
    日本酒にはアミノ酸、中でもうまみ成分であるグルタミン酸が多く含まれるだけでなく、肉や魚の臭いを消したり、食材そのもののうまみを引き出す力があります。うまみが十分に感じられれば、塩での調味を効果的に減らせます。
  • ●どんな調味料とも相性が抜群!
    日本酒は、他のお酒に比べて雑味が少なく、無色透明のため、調理でよく使う醤油、味噌、酢といった調味料の他にも、トマトケチャップやマスタード、マヨネーズなど、さまざまな調味料との相性がよいのが特徴です。
  • ●和・洋・中・スイーツとどんなジャンルの料理にも大活躍
    お酒を調理に使う機会は、和・洋・中・スイーツと料理のジャンルを問わず共通にありますが、そのすべてにおいて力を発揮するのは日本酒が一番。キッチンに常備してあれば、毎日の料理が格段においしくなります。
  • ●たったひと振りでいつもの料理が見違えるおいしさに!
    毎日の料理に、たったひと振りするだけで、おいしさや見た目の美しさを実感できるのが、ひと振り酒調理の最大のポイント。日本酒が持つ魅力を飲むだけでなく、食べることで実感してください。
  • ●香り、焼き色、食感アップと調味以外でも効果大
    味はもちろん見た目の美しさでも定評のある和食。その美しさと日本酒には深いかかわりがあります。和食の達人はたくさん調理に日本酒を使いますが、そのコツをつかめば、家庭でも絶品の料理を楽しむことができます。
 さらに、本書に掲載されている「調味料としての日本酒6つの効果」も、以下にご紹介させていただきましょう。
  • ➀おいしさを閉じ込め型崩れを防ぐ
    植物性の食品の細胞は、細胞壁で囲まれています。細胞壁同士を接着するペクチンは、日本酒のアルコール成分により、加熱しても壊れない強いものになるので、煮崩れや型崩れを防止します。また、素材の中に含まれている成分が溶け出すのを防ぎ、おいしさを閉じ込めてくれます。
  • ➁美しい焼き色、香ばしい香りをつけ食感をアップ
    日本酒に含まれている糖分やアミノ酸は、加熱するとアミノカルボニル反応を起こして、美しい黄金色の焼き色と風味を作ります。これは、高温で加熱すると、糖質のカラメル化が早くなるためです。さらに表面をカリッとさせるなど、食感もアップし、焼き上がりの香りや風味を格上げしてくれるのです。
  • ➂味つけをまろやかに染み込みやすくする
    日本酒の甘みやうまみ成分は、酢の物や漬物、和え物などの酸味や塩味をまろやかにして、アルコールの効果で、一緒に使う調味料の調味効果を最大限に引き出すことができます。塩や醤油の吸収率を高めるため、減塩の効果もあります。酢・醤油・味噌以外にも、マヨネーズやケチャップ、焼肉のタレやドレッシングなどでも、日本酒が味のまとめ役となるのです。
  • ➃素材をやわらかくする
    日本酒を加えて、煮たり、蒸したり、日本酒に漬け込んで焼いたりすると、肉や魚介類の筋繊維の内外の保水性が、アルコールの作用で高まります。結果、驚くほどやわらかく、ジューシーに仕上がります。
  • ➄隠し味やうまみをプラスする
    日本酒にはグルコースなどの糖分が含まれているので、料理に加えると甘みが増します。また、アミノ酸も豊富に含まれるので、うまみも増します。さらに、日本酒の持つうまみ成分と素材が持つうまみ成分が結合することで、料理全体の味わいもよくなり、深みも出るのです。日本酒に含まれるアミノ酸は、ワインの約2倍、ビールの約10倍含まれるといわれ、うまみのかたまりといえます。
  • ➅素材の臭みを取り除く
    日本酒のアルコールが蒸発する時に、魚の生臭みであるトリメチルアミンも一緒に蒸発させ、日本酒の有機酸などが、臭みを改良してくれます。魚以外でも、肉や加工品に含まれる臭い取りにも威力を発揮します。また、他のお酒と異なり無色透明なので、素材の見た目を変えずに余分な臭いだけを取ることができるのも、日本酒の魅力です。
 体質的にアルコールを受け付けず、まったくお酒が飲めないあなたでも、調味料として日本酒を活用することで、日常の料理が一層美味しくなると感じていただけたなら、きっとあなたの幸せの発見回数は格段に増えていくことになるでしょう。そして「今この瞬間の幸せ」に気づく力が養われ、あなたの人生は幸せに導かれていくことになるのです。