- HOME
- 「酒道 黒金流」門前編(無料コンテンツ【2】)
- 【門前編】日本酒がもっともっと楽しくなる凄ワザ8連発!
First part of the gate
●一番美味しいオススメのお燗のつけ方は湯煎燗酒
●まず大きめの鍋にタップリのお湯を沸かす。
●お湯は沸騰させず、水面がゆらめいてきたあたり(60℃あたり)で火を止める。
●お酒の入った徳利をお湯につける。
●温度計があれば、ぬる燗なら43℃、上燗なら48℃になったら徳利を引き上げる。
●温度計がなければ、ぬる燗ならつけてから1分程度。徳利の底を触ってみて、割と熱いなと感じる程度で引き上げると、だいたい43℃程度。あとは慣れ次第。
●上燗ならつけてから70秒程度。徳利の底を触ってみて、けっこう熱くて、これ以上熱いと2〜3秒も触っていられないというあたり。あとは慣れ。
●お燗の温度には、「日向燗」(30℃程度)「人肌燗」(35℃程度)「ぬる燗」(40℃程度)「上燗」(45℃程度)「熱燗」(50℃程度)「飛び切り燗」(55℃以上)といろいろあるが、一般的には「ぬる燗」(40℃程度)か「上燗」(45℃程度)が理想的なお燗の温度。
●注意点は、「ぬる燗」(40℃程度)で飲みたい場合、口に含んだ時の温度が40℃程度ということ。と、いうことは、40℃に沸かして、それを徳利からお猪口に注いで飲むと温度が少し低くなるということ。沸かす時には43℃くらいにして、徳利からお猪口に注いで口に含んだ際に最初は41〜42℃くらい。徳利を飲み干す頃の温度が37〜39℃くらいになるようにするのが理想的な「ぬる燗」と言える。
●さらに、裏ワザを1つ。上記の方法でベストな燗をつけた酒をまず一口飲んだあと、塩辛や酒盗(鰹の内臓の塩辛)などを一口食べる。そのあとで、また一口燗酒を飲む。「うそ〜〜っ!!燗酒がすごく美味しくなった!」と、驚きの声が漏れること請け合い。
【6】温度を変えて日本酒の味わいを微調整する裏ワザ! 日本酒の香味成分は、飲用時の温度によって次のように変化します。日本酒の「甘味」は温度が低いと小さく、高いと大きく感じます。「酸味」は、温度が低いと爽やかに、高いと膨らみに感じます。「旨味」は、温度が低いと減退し、高いと増加して感じます。「苦味」は、温度が低いとクレソン様の味に感じ、高いとコクに感じます。全体としては、温度が低いとトーンが小さく感じ、高いとボリュームが大きく感じます。「香り」は、温度が低いと少なく感じ、高いと複雑性が増して感じます。ただし、華やかな吟醸香は燗になると飛んでしまいます。そして、通常は55℃以上の燗になると、酒のアルコール分が鼻や舌を刺し、ツンときますので注意が必要です。そして、このネタは、実際に日本酒を楽しむ際に大変役立つ知識なのです。例えば、購入した日本酒を常温で味わってみて、「失敗した!ちょっと思っていたより甘口だった!もう少し辛口のお酒が欲しかったのに!」という場合には、日本酒の甘みは温度が低ければ小さくなり、温度が高ければ大きく感じるということですから、少し冷やして飲んでみれば好みの味わいに近づけることができるということなのです。同様に常温で飲んでみて「ちょっと酸味が気になるな」とか「少し味わいの線が細いな」というような場合は、「ぬる燗」程度にしてみると良いでしょう。酸味が膨らみに変わり、味わいの幅が広がります。これらのテクニックは、いわば「温度を変えて日本酒を好みの味わいに微調整する裏ワザ!」ともいえるでしょう。 【7】「SAKEシェアリング」で人生をもっと楽しく豊かに!●日本酒を買っても、4合でも多くて飲みきれない。でも少容量は割高になるからイヤ。
●いろいろな日本酒を少しずつ楽しみたいけれど、何本も買うと高くついて、全部飲みきれず、冷蔵庫にも入りきらない。
●日本酒は1本買ったらしばらくあるが、劣化して料理酒にしたり捨てたりするのはイヤ。
●日本酒に詳しくはないけれど、いろんな種類の日本酒を、少しずつ、リーズナブルに楽しむことができたらイイナとは思う。
こんなふうに思ったことのある、そんなあなたに朗報です!上記のような悩みを、全て解決する凄ワザ、「SAKEシェアリング」をご紹介いたしましょう。「SAKEシェアリング」とは、いろんな種類の日本酒を、お好みの量だけ、無駄にすることなく、しかも高級酒も含めリーズナブルに楽しむことができるという、まるで夢のような、シェア(共有)型の日本酒購入方法です。分かりやすくいえば、あなたが仲間を集め、何種類かの日本酒を共同購入し、小さな「日本酒会」のような宴会を開催して楽しむというものです。たったそれだけのことで、上記のような悩みなど、全て解決されてしまいます。例を挙げてみましょう。あなたが5人の仲間を集める(あなたを含め6人)だけで、1人の酒代わずか1,625円で、最高ランクの純米大吟醸酒(720ml:4,000円)、純米吟醸酒(720ml:2,500円)、特別純米酒(720ml:1,500円)、季節物純米酒(720ml:1,750円)の4種類を、1人あたり合計約2.67合(480ml)分堪能することができるのです。まるで魔法のように感じられるかもしれませんが、これが「SAKEシェアリング」のパワーです。計算してみましょう。最高ランクの純米大吟醸酒、純米吟醸酒、特別純米酒、季節物純米酒の価格をすべて足しますと、合計価格は9,750円となります。これを6人で割れば、1人あたり1,625円となり、この金額で1人あたり480mlを堪能できるということになるわけです。これが、もっと人数が増えれば、さらにお安くなったり、1升瓶も買えるようになってさらに割安になったり、お酒の種類を増やしたり、豪華にしたりと、様々なパターンが可能となってくるのです。これまで手が出せなかった超高級酒もリーズナブルに堪能できるようになります。たとえば、720ml瓶1万円の超高級酒でも、1人1,000円出して10人集まれば、全員がグラス1杯(72ml)ずつ堪能することができるのです。この「SAKEシェアリング」を上手に駆使できるようになれば、様々な種類の日本酒をリーズナブルに楽しむことが簡単にできるようになり、あなたの人生はますます楽しく豊かなものになっていくことでしょう! 【8】辛口酒の底力!料理と合わせてこそ本領発揮!そして、飲み続けられる! 近年は、香りが極めてフルーティで、味わいもグルコース濃度が高く(人間が甘く感じる糖分が極めて多い)甘いタイプの日本酒が流行りとなっています。確かにこのタイプの日本酒は、一口飲んで「うまい!」となるほど分かりやすく、これまであまり日本酒を好まなかった若者やライトユーザーには最適でしょうが、「もう一杯」にはつながらず、料理には合わせづらく、特に和食、特に刺身などには相性が良いとはいえず、料理も進まなくなってしまうのです。一方、このタイプとは真逆の、香りが比較的穏やかで味わいもグルコース濃度の低い(人間が甘く感じる糖分が少ない)辛口タイプの日本酒は、近年は少し分が悪くなってしまっています。この辛口タイプの日本酒は、酒だけで飲むとやや物足りなく感じるかもしれませんが、料理(特に和食、特に刺身)と合わせていただくと、料理の素材の美味しさを出汁のように下から支えて押し上げ、ついつい杯が進み、ついつい箸も進み、その時になって初めて「おいしい!」と気づくようなタイプの日本酒なのです。辛口酒は、料理と合わせてこそ本領を発揮する日本酒なのだと言えるでしょう。そこで、辛口酒の底力がハッキリとよく分かる、そんな事例をご紹介いたしましょう。 まずは、4年ほど前に、私がパリに海外出張に行った際の事例です。パリのディストリビューターでもある「京子(KIOKO)」さんの日本食品販売店舗にて、司牡丹単独での試飲即売のプロモーションを、通訳付きで実施させていただきました。その際、普通に試飲をしていただくと、淡麗辛口の純米酒はどうしても試飲者の反応が鈍く、香りのフルーティな純米吟醸酒や純米大吟醸酒に軍配が上がってしまいます。しかし、純米吟醸酒も純米大吟醸酒も、美味しいけれど高いので、結局購入に至りません。結果として、比較的安価で香りも味わいもインパクトのある「司牡丹・山柚子搾り」(リキュール)だけを買って帰るというパターンに陥っていたのです。そのため店長さんから、「『山柚子搾り』は放っておいても売れるので、在庫の多い『土佐牡丹酒』(純米酒)を積極的にアピールしてほしい。」との依頼がありました。そこで、「辛口酒は料理と合わせてこそ本領を発揮する」ことを思い出した私は、お店で販売されていた「ゴボウの味噌漬け」を細かく切ってもらい、ツマミとして提供することにしました。まず「土佐牡丹酒」を一口飲んでもらい、続いて「ゴボウの味噌漬け」を食べてもらい、その後再び「土佐牡丹酒」を飲んでもらうという、ペアリング試飲のパターンに変えたところ、これが大当たりの大人気となります。「お酒が美味しくなる!」「辛口のお酒が甘くなった!」「お酒もツマミも美味しくなる!」などの悦びの声が次々に挙がり、そこですかさず、「これが日本酒の食中酒、土佐の淡麗辛口の底力です!」と語りかけると皆さん大納得で、「土佐牡丹酒」(720ml)がドンドン売れ始めたのです。「もっと大きいサイズが欲しい」という方まで現れ、似たタイプということで「豊麗司牡丹」(純米酒)の1升瓶まで売れてしまったほどです。結果、3時間半の試飲即売で、「山柚子搾り」が11本(720ml)、「豊麗司牡丹」が1本(1800ml)、「土佐牡丹酒」は何と12本(720ml)売れたのです。日本酒にあまり馴染みのないパリでこの結果ですから、当然日本国内においても、他の国においても同様の結果を導き出せるはずです。「辛口酒は料理と合わせてこそ本領を発揮する」は、世界に通用する真実であり、日本酒ファンならば絶対に覚えておいてほしい言葉であると言えるでしょう。 次の事例は、もう20年ほど昔の事例になりますが、日本名門酒会の初期の頃からのオリジナル商品で、40年以上のロングセラー商品「特選司牡丹・純米酒」という商品があります。長野県で美容室を営む日本酒ファンの男性の方から、「特選司牡丹」の大ファンで、このお酒の1升瓶を仲間とともに(大半は1人で飲んだとのこと)500本飲んだことを記念してパーティを開催するので、是非とも司牡丹の社長にも参加してほしいという連絡があったのです。これは凄いということで、早速長野県に出張に行かせていただきました。会場には、「特選司牡丹」の500本分のキャップを使って「司牡丹」の文字を書いた大きなパネルが飾られており、感激したことを今でもハッキリと覚えています。さらに感激したのは、その方の言葉でした。「私は若い頃から日本酒の大ファンで、全国各地の名だたる銘酒を何百銘柄も飲み比べてきました。そんな中で、10年近く前にこの酒『特選司牡丹』に出会い、自分が求めてきた、いつまでも飲み続けられる酒はコレだと気づき、以来他の日本酒には目もくれず『特選司牡丹』だけを飲み続けて、ついに1升瓶500本を空けることができました。」・・・本当にこの言葉は、私の蔵元人生の中でも最高に蔵元冥利に尽きる嬉しい言葉でした。そしてさらに、その記念パーティの席上で、大感激の場面を目撃するのです。約20人ほどの地元の飲み仲間が集まってのささやかな宴でしたが、様々な地元料理がズラリと並ぶ中、用意されたお酒は「特選司牡丹」のみ、ただ1種類。その「特選司牡丹」を、常温やぬる燗などにして、その場にいる全員が宴の最初から最後まで、本当に楽しそうに酌み交わし続けたのです。宴の最後にその方が私に語った言葉は、今でも脳裡に焼き付いています。「私の言ったとおり、宴の最初から最後まで、美味しく飲み続けられる酒でしょう?」・・・私はこの時、自社の辛口酒の最大の魅力を、ファンの方から教えていただいたのです。