【門前編】日本酒がもっともっと楽しくなる凄ワザ8連発!

First part of the gate

【門前編】日本酒がもっともっと楽しくなる凄ワザ8連発!

今回は、日本酒がもっともっと楽しくなる凄ワザを、ドカンと8連発でお届けしたいと思います。これまでの「門前編」のコンテンツと一部重なる内容もありますが、今回は「凄ワザ」としてまとめさせていただきました。まずは、日本の春夏秋冬それぞれの旬の美味しい食材の素晴らしさを最大限に満喫できる料理と、その料理の良さを最高に引き出す相性抜群の日本酒を、四季に分けて具体的にご紹介することからスタートしましょう。 【1】春を満喫!「山菜の天ぷら」と「薄にごり酒」! 芽吹きの季節、春。フキノトウ、タラの芽、コシアブラ、ワラビ、ゼンマイ、タケノコ・・・日本の春は、たくさんの山菜が旬を迎えます。そして、これらの旬の山菜を料理として春にいただくということは、これから伸びようとする新芽や若芽の生命力を、ほろ苦さやえぐみとして体内に取り入れることで、春の大地の生命力のおすそ分けをいただき、冬眠していた体をシャッキリと目覚めさせることができるということなのです。つまり春の山菜料理は、冬の間に動きが鈍っている内臓を活性化させ、新陳代謝を良くしてくれ、また冬の間にたまっていた毒素も洗い流してくれるのです。そんな日本の春ならではの旬の生命力のかたまりである山菜を、より美味しく満喫できる料理といえば、やはり「山菜の天ぷら」が一番でしょう。その最大の魅力は、何といってもあふれる生命力を感じるほろ苦さにあります。そして、そんな生命力を感じるほろ苦さを、さらに美味しくしていただくには、春ならではの旬の日本酒、かすかににごった「薄にごり酒」や「しぼりたて新酒」を、涼冷え(15℃程度)で合わせていただくことでしょう。これらの日本酒は、山菜と同様に生命力にあふれ、生まれたてのフレッシュ感と共に、新酒ならではのほのかな苦味も持っており、「山菜の天ぷら」と抜群の相性を示すのです。はっきりいって他のお酒や飲み物では、ここまで「山菜の天ぷら」の美味しさを引き出すことは不可能といっても過言ではないでしょう。しかも、旬である春の時期に「山菜の天ぷら」と「薄にごり酒」や「しぼりたて新酒」を合わせていただくということは、より一層体内に大自然の生命力を取り入れることが可能になるということなのです。そして、日本の春を象徴する桜を愛でながらの「花見酒」や、春ならではの「おぼろ月見酒」として体験すれば、さらにさらに美味しく楽しく豊かなひとときが満喫できること請け合いでしょう。 【2】夏を爽やかに!「夏野菜のお酢料理」とキーンと冷えた「生酒」!蒸し暑い日本の夏。この季節は体調をくずしたり、夏バテになってしまう人も少なくありません。そんな暑い時期には、余分な熱を取って体を冷やし、汗で失った体液を補充してくれる、夏野菜である果菜類をいただくのが最適です。果菜類とは、主に果実や種を食べる野菜のことで、キュウリ、ナス、トマト、ピーマン、オクラ、トウモロコシ、ズッキーニ、エダマメ、ゴーヤー、シシトウ・・・等です。これらは、カロテン、ビタミンC、ビタミンEなどを多く含む野菜が多く、夏バテ防止に効果が高いといわれています。そんな日本の夏ならではの旬の夏野菜を、より美味しく堪能できる料理といえば、やはりお酢や梅干しを使った料理が最高でしょう。「夏野菜の南蛮漬け」や「夏野菜の梅酢煮」等です。これらの料理の最大の魅力は、お酢や梅干しの夏野菜との相性の良さが挙げられますが、効能としても酸味が唾液や胃液の分泌を促し、消化を助け、食欲が出ますし、疲れのもととなる乳酸がたまるのを防ぎ、たまった乳酸の分解も促しますし、さらにお酢の殺菌効果で食中毒の予防にもつながるのです。そして、そんな夏野菜のナチュラルな美味しさとお酢料理の酸味を、さらに美味しくしていただくには、夏ならではの旬の日本酒である「生酒」を、キーンと花冷え(10℃程度)に冷やして、合わせていただくことでしょう。夏の「生酒」は、冷たく冷やしてこそ最も本領を発揮する日本酒ですから体を冷やす効果も高いですし、何よりそのフレッシュで爽やかな味わいが、夏野菜のナチュラルな美味しさを引き立て、さらに酸味の効いた料理とも抜群の相性を示すのです。はっきりいって他のお酒や飲み物では、ここまで「夏野菜のお酢料理」の美味しさを引き出すことは不可能といっても過言ではないでしょう。しかも、旬である夏の時期に「夏野菜のお酢料理」と「生酒」を合わせていただくということは、より一層夏野菜の効能を高め、さらに食欲増進や夏バテ防止の効果をアップさせることにつながるのです。そして、日本の夏を象徴する花火を愛でながらの「花火酒」や、滝を愛でながらの「滝見酒」として体験すれば、さらにさらに美味しく楽しく豊かなひとときが満喫できること請け合いでしょう。 【3】秋を堪能!「サンマの塩焼き」と「ひやおろし」!「キノコの煮びたし」と「樽酒」!日本の収穫の秋、実りの秋には、旨味が豊富で栄養価も高い食材が、ズラリと出揃います。サンマ、サバ、戻りガツオ等の脂の乗った魚類、シイタケ、マツタケ、マイタケ等の旨味豊富なキノコ類、ヤマイモ、サトイモ等の芋類・・・等々。これらの食材の豊富な旨味と高い栄養価が、暑い夏にたまった疲れを吹き飛ばし、これから寒い冬に向かうための体をつくっていくために効果を発揮してくれるのです。そんな日本の豊穣の秋ならではの旨味たっぷりの料理の代表といえば、やはりまずは「サンマの塩焼き」でしょう。その最大の魅力は、何といってもハラワタのほろ苦さを含んだ独特の旨味にあります。ハラワタは苦手な方が少なくないかもしれませんが、まずはだまされたと思って、サンマの身に少しハラワタをからめ、そこに醤油と大根おろしと柑橘類(ユズ、スダチ、カボス等)の搾り果汁をかけていただき、そして秋が旬の日本酒「ひやおろし」と交互に、チビチビやってみてください。「ひやおろし」の飲用温度は常温(20℃程度)がお薦めでしょう。ハラワタのほろ苦味が「ひやおろし」の旨味と共に口中で、えも言われぬ旨さとなって膨らんでいき、あまりの美味しさに驚くはずです。そして、サンマのハラワタを棄ててきたこれまでの人生を、大いに後悔することでしょう!「ひやおろし」は、秋の味覚と同様に、熟成したたっぷりの旨味が特徴ですから、「サンマの塩焼き」、特にハラワタとは、抜群の相性を示すのです。はっきりいって他のお酒や飲み物では、ここまで「サンマの塩焼き」の美味しさを引き出すことは不可能といっても過言ではないでしょう。しかも、旬である秋の時期に「サンマの塩焼き」と「ひやおろし」を合わせていただくということは、サンマの豊富な栄養価も一層効果的に体内に取り入れ、寒い冬に向かうための体づくりに、より効果を発揮するということなのです。さらに、日本の秋を象徴する名月を愛でながらの「月見酒」や、紅葉を愛でながらの「紅葉酒」として体験すれば、さらにさらに美味しく楽しく豊かなひとときが満喫できること請け合いでしょう。 そして、せっかくの豊穣の秋ですから、もう1品追加でご紹介しておきましょう。それはキノコ料理です。シイタケ、ナメコ、ヒラタケ、シメジ、マイタケ、マツタケ等々、旨味たっぷりのキノコが秋に旬を迎えます。そんなキノコを使って、全身で豊饒の秋を実感でき、最高に幸せな気分に浸れる料理は、「キノコの煮びたし」でしょう。何種類ものキノコをふんだんに使って、煮びたしにした料理は、旨味の音楽隊といえるでしょう。そして、それをさらに、旨味のフルオーケストラの交響楽団にするほど何倍も美味しくする秘訣は、日本酒を杉樽に詰めて杉の風味をつけた、「樽酒」と合わせていただくこと!この場合の「樽酒」は、常温(20℃程度)か人燗燗(35℃程度)がお薦めです。「樽酒」嫌いの人も絶賛するほど、抜群の相性の良さを示します。「キノコの煮びたし」だけでも「樽酒」だけでも味わうことの出来ない、絶妙に融合した、まるで森林浴に浸っているかのような風味が口中に忽然と現われ、全身に沁み渡るように膨らんでゆくのです!その相性の秘密は単純なものでした。キノコは「木の子」ですから、木の風味を持っています。「樽酒」はもちろん木の風味を持っていますから、最初から相性が良いのは自明の理だったのです。さらに相性を良くするコツとしては、「キノコの煮びたし」に隠し味で料理酒として樽酒を加えること。旨味が何倍にも膨らみ、美味しさが倍増すること請け合いです。 【4】冬を謳歌!アツアツの「鍋料理」にホッと和む「燗酒」と「しぼりたて原酒」! 寒い冬には、体を温める食べ物を意識的に食べて、血の巡りを良くしなければなりません。この季節に旬を迎える、カブやニンジンなどの根菜類には、体を温める効果が高い野菜が多く存在しています。小松菜やネギ、エビやマグロ、鶏肉なども同様の効果が期待できます。また、大根や白菜、カニや牡蠣なども冬が旬ですが、そのままではやや体を冷やす傾向がありますので、温かい調理が望ましいと言えます。そういった意味でも、冬には「鍋料理」が最適であると言えるでしょう。「鍋料理」は、体を温める効果が高い冬の食材をタップリ取り入れることができ、かつ体を冷やす傾向のある食材も、その傾向を抑えることができるのです。さらに、冬が旬の魚は、ブリ、フグ、クエ、アンコウなど、まさに「鍋料理」でいただくと絶品という魚だらけでもあります。やはり「鍋料理」は、日本の冬の献立の王道、大定番であると言えるでしょう。そして、そんな冬の「鍋料理」の美味しさを、さらに美味しくしていただくには、冬ならではの旬の日本酒の飲み方である「燗酒」を、ぬる燗(40℃程度)や上燗(45℃程度)にして、合わせていただくことでしょう。ちなみに「燗酒」には、 あまり精米歩合の高くない(精米歩合60%〜70%程度)本醸造酒か純米酒あたりが最適でしょう。冬の「燗酒」は全身に沁み込むような旨味を持ち、体を温める効果が高いですし、冬が旬の食材が持つ豊かな旨味と抜群の相性を示し、その美味しさをさらに引き出してくれるのです。また、冬が旬の「しぼりたて原酒」もリッチな旨味があり、「燗酒」同様に冬の食材と好相性を示しますし、アルコール度が高い分、血の巡りを良くし、体を温めてくれるのです。ところで「鍋料理」には、大きく分けて「割り下タイプ」と「つけだれタイプ」の2つがあります。「割り下タイプ」とは、だし汁や醤油や酒などを合わせて材料を炊く、味のついた煮汁を使う「鍋料理」のことで、「寄せ鍋」(薄味)、「すき焼き」(濃味)、「土手鍋」(味噌味)、「おでん」(煮込タイプ)などがあります。「つけだれタイプ」とは、薬味などを入れたつけだれにつけていただくタイプの「鍋料理」のことで、「水炊き」「ちり鍋」「湯豆腐」「しゃぶしゃぶ」などがあります。そして、「しぼりたて原酒」は、「割り下タイプ」の「鍋料理」が特にお薦めです。まず最初は冷蔵庫から出したばかりの「しぼりたて原酒」を涼冷え(15℃程度)でいただき、そのまま常温で置いておくと次第にお酒の温度が上がっていき、それとともにお酒の旨味や膨らみも増してきます。「割り下タイプ」の「鍋料理」も、時間とともに煮詰まって味わいが濃くなっていきますから、いつ合わせても「しぼりたて原酒」と好相性を示すというわけです。「燗酒」と「しぼりたて原酒」・・・はっきりいって他のお酒や飲み物では、ここまで「鍋料理」の美味しさを引き出すことは不可能といっても過言ではないでしょう。しかも、旬である冬の時期に「鍋料理」と「燗酒」や「しぼりたて原酒」を合わせていただくということは、より一層冬の食材の効能を高め、さらに体も心もポカポカに温めてくれるです。そして、炬燵(こたつ)で温まりながらの「炬燵酒」や、雪を愛でながらの「雪見酒」として体験すれば、さらにさらに美味しく楽しく豊かなひとときが満喫できること請け合いでしょう。 【5】燗酒嫌いもファンになる!美味しいお燗のつけ方!日本酒は好きだけど燗酒は苦手という方が、案外少なくありません。しかし、燗酒は他のアルコール飲料にはあまりない、日本酒ならではの豊かな楽しみ方ですから、いつまでも嫌っていてはもったいないというもの。しかも、燗酒嫌いになった理由は、居酒屋の燗のつけ方が下手で、アルコールがツンとくるほど熱すぎたからという場合も少なくないのです。実際、燗酒が苦手という女性50人に、私がベストの燗をつけて提供したところ、そのうち38人が「これなら美味しい!」と答えたということもあったのです。江戸時代には「お燗番」の亭主がいて、たった1種類のお酒を、お燗の温度を少し変えるだけで、何種類ものお酒を飲んだとお客さんに勘違いさせるくらいの技を持っていたという話もあります。燗酒は、日本の優れた飲食文化のひとつでもあるのです。では、燗酒嫌いもファンになる、美味しいお燗のつけ方を、以下にご紹介しておきましょう。なお、燗酒にどんな日本酒を選ぶかは、スッキリしたタイプが好みなら、淡麗辛口の本醸造酒や純米酒などが良いでしょうし、コクのあるタイプが好みなら、「山廃仕込み」や「生酛仕込み」などを選ぶと良いでしょう。 <美味しいお燗のつけ方>

●一番美味しいオススメのお燗のつけ方は湯煎燗酒

●まず大きめの鍋にタップリのお湯を沸かす。

●お湯は沸騰させず、水面がゆらめいてきたあたり(60℃あたり)で火を止める。

●お酒の入った徳利をお湯につける。

●温度計があれば、ぬる燗なら43℃、上燗なら48℃になったら徳利を引き上げる。

●温度計がなければ、ぬる燗ならつけてから1分程度。徳利の底を触ってみて、割と熱いなと感じる程度で引き上げると、だいたい43℃程度。あとは慣れ次第。

●上燗ならつけてから70秒程度。徳利の底を触ってみて、けっこう熱くて、これ以上熱いと2〜3秒も触っていられないというあたり。あとは慣れ。

●お燗の温度には、「日向燗」(30℃程度)「人肌燗」(35℃程度)「ぬる燗」(40℃程度)「上燗」(45℃程度)「熱燗」(50℃程度)「飛び切り燗」(55℃以上)といろいろあるが、一般的には「ぬる燗」(40℃程度)か「上燗」(45℃程度)が理想的なお燗の温度。

●注意点は、「ぬる燗」(40℃程度)で飲みたい場合、口に含んだ時の温度が40℃程度ということ。と、いうことは、40℃に沸かして、それを徳利からお猪口に注いで飲むと温度が少し低くなるということ。沸かす時には43℃くらいにして、徳利からお猪口に注いで口に含んだ際に最初は41〜42℃くらい。徳利を飲み干す頃の温度が37〜39℃くらいになるようにするのが理想的な「ぬる燗」と言える。

●さらに、裏ワザを1つ。上記の方法でベストな燗をつけた酒をまず一口飲んだあと、塩辛や酒盗(鰹の内臓の塩辛)などを一口食べる。そのあとで、また一口燗酒を飲む。「うそ〜〜っ!!燗酒がすごく美味しくなった!」と、驚きの声が漏れること請け合い。

【6】温度を変えて日本酒の味わいを微調整する裏ワザ! 日本酒の香味成分は、飲用時の温度によって次のように変化します。日本酒の「甘味」は温度が低いと小さく、高いと大きく感じます。「酸味」は、温度が低いと爽やかに、高いと膨らみに感じます。「旨味」は、温度が低いと減退し、高いと増加して感じます。「苦味」は、温度が低いとクレソン様の味に感じ、高いとコクに感じます。全体としては、温度が低いとトーンが小さく感じ、高いとボリュームが大きく感じます。「香り」は、温度が低いと少なく感じ、高いと複雑性が増して感じます。ただし、華やかな吟醸香は燗になると飛んでしまいます。そして、通常は55℃以上の燗になると、酒のアルコール分が鼻や舌を刺し、ツンときますので注意が必要です。そして、このネタは、実際に日本酒を楽しむ際に大変役立つ知識なのです。例えば、購入した日本酒を常温で味わってみて、「失敗した!ちょっと思っていたより甘口だった!もう少し辛口のお酒が欲しかったのに!」という場合には、日本酒の甘みは温度が低ければ小さくなり、温度が高ければ大きく感じるということですから、少し冷やして飲んでみれば好みの味わいに近づけることができるということなのです。同様に常温で飲んでみて「ちょっと酸味が気になるな」とか「少し味わいの線が細いな」というような場合は、「ぬる燗」程度にしてみると良いでしょう。酸味が膨らみに変わり、味わいの幅が広がります。これらのテクニックは、いわば「温度を変えて日本酒を好みの味わいに微調整する裏ワザ!」ともいえるでしょう。 【7】「SAKEシェアリング」で人生をもっと楽しく豊かに!

●日本酒を買っても、4合でも多くて飲みきれない。でも少容量は割高になるからイヤ。

●いろいろな日本酒を少しずつ楽しみたいけれど、何本も買うと高くついて、全部飲みきれず、冷蔵庫にも入りきらない。

●日本酒は1本買ったらしばらくあるが、劣化して料理酒にしたり捨てたりするのはイヤ。

●日本酒に詳しくはないけれど、いろんな種類の日本酒を、少しずつ、リーズナブルに楽しむことができたらイイナとは思う。

こんなふうに思ったことのある、そんなあなたに朗報です!上記のような悩みを、全て解決する凄ワザ、「SAKEシェアリング」をご紹介いたしましょう。「SAKEシェアリング」とは、いろんな種類の日本酒を、お好みの量だけ、無駄にすることなく、しかも高級酒も含めリーズナブルに楽しむことができるという、まるで夢のような、シェア(共有)型の日本酒購入方法です。分かりやすくいえば、あなたが仲間を集め、何種類かの日本酒を共同購入し、小さな「日本酒会」のような宴会を開催して楽しむというものです。たったそれだけのことで、上記のような悩みなど、全て解決されてしまいます。例を挙げてみましょう。あなたが5人の仲間を集める(あなたを含め6人)だけで、1人の酒代わずか1,625円で、最高ランクの純米大吟醸酒(720ml:4,000円)、純米吟醸酒(720ml:2,500円)、特別純米酒(720ml:1,500円)、季節物純米酒(720ml:1,750円)の4種類を、1人あたり合計約2.67合(480ml)分堪能することができるのです。まるで魔法のように感じられるかもしれませんが、これが「SAKEシェアリング」のパワーです。計算してみましょう。最高ランクの純米大吟醸酒、純米吟醸酒、特別純米酒、季節物純米酒の価格をすべて足しますと、合計価格は9,750円となります。これを6人で割れば、1人あたり1,625円となり、この金額で1人あたり480mlを堪能できるということになるわけです。これが、もっと人数が増えれば、さらにお安くなったり、1升瓶も買えるようになってさらに割安になったり、お酒の種類を増やしたり、豪華にしたりと、様々なパターンが可能となってくるのです。これまで手が出せなかった超高級酒もリーズナブルに堪能できるようになります。たとえば、720ml瓶1万円の超高級酒でも、1人1,000円出して10人集まれば、全員がグラス1杯(72ml)ずつ堪能することができるのです。この「SAKEシェアリング」を上手に駆使できるようになれば、様々な種類の日本酒をリーズナブルに楽しむことが簡単にできるようになり、あなたの人生はますます楽しく豊かなものになっていくことでしょう! 【8】辛口酒の底力!料理と合わせてこそ本領発揮!そして、飲み続けられる! 近年は、香りが極めてフルーティで、味わいもグルコース濃度が高く(人間が甘く感じる糖分が極めて多い)甘いタイプの日本酒が流行りとなっています。確かにこのタイプの日本酒は、一口飲んで「うまい!」となるほど分かりやすく、これまであまり日本酒を好まなかった若者やライトユーザーには最適でしょうが、「もう一杯」にはつながらず、料理には合わせづらく、特に和食、特に刺身などには相性が良いとはいえず、料理も進まなくなってしまうのです。一方、このタイプとは真逆の、香りが比較的穏やかで味わいもグルコース濃度の低い(人間が甘く感じる糖分が少ない)辛口タイプの日本酒は、近年は少し分が悪くなってしまっています。この辛口タイプの日本酒は、酒だけで飲むとやや物足りなく感じるかもしれませんが、料理(特に和食、特に刺身)と合わせていただくと、料理の素材の美味しさを出汁のように下から支えて押し上げ、ついつい杯が進み、ついつい箸も進み、その時になって初めて「おいしい!」と気づくようなタイプの日本酒なのです。辛口酒は、料理と合わせてこそ本領を発揮する日本酒なのだと言えるでしょう。そこで、辛口酒の底力がハッキリとよく分かる、そんな事例をご紹介いたしましょう。 まずは、4年ほど前に、私がパリに海外出張に行った際の事例です。パリのディストリビューターでもある「京子(KIOKO)」さんの日本食品販売店舗にて、司牡丹単独での試飲即売のプロモーションを、通訳付きで実施させていただきました。その際、普通に試飲をしていただくと、淡麗辛口の純米酒はどうしても試飲者の反応が鈍く、香りのフルーティな純米吟醸酒や純米大吟醸酒に軍配が上がってしまいます。しかし、純米吟醸酒も純米大吟醸酒も、美味しいけれど高いので、結局購入に至りません。結果として、比較的安価で香りも味わいもインパクトのある「司牡丹・山柚子搾り」(リキュール)だけを買って帰るというパターンに陥っていたのです。そのため店長さんから、「『山柚子搾り』は放っておいても売れるので、在庫の多い『土佐牡丹酒』(純米酒)を積極的にアピールしてほしい。」との依頼がありました。そこで、「辛口酒は料理と合わせてこそ本領を発揮する」ことを思い出した私は、お店で販売されていた「ゴボウの味噌漬け」を細かく切ってもらい、ツマミとして提供することにしました。まず「土佐牡丹酒」を一口飲んでもらい、続いて「ゴボウの味噌漬け」を食べてもらい、その後再び「土佐牡丹酒」を飲んでもらうという、ペアリング試飲のパターンに変えたところ、これが大当たりの大人気となります。「お酒が美味しくなる!」「辛口のお酒が甘くなった!」「お酒もツマミも美味しくなる!」などの悦びの声が次々に挙がり、そこですかさず、「これが日本酒の食中酒、土佐の淡麗辛口の底力です!」と語りかけると皆さん大納得で、「土佐牡丹酒」(720ml)がドンドン売れ始めたのです。「もっと大きいサイズが欲しい」という方まで現れ、似たタイプということで「豊麗司牡丹」(純米酒)の1升瓶まで売れてしまったほどです。結果、3時間半の試飲即売で、「山柚子搾り」が11本(720ml)、「豊麗司牡丹」が1本(1800ml)、「土佐牡丹酒」は何と12本(720ml)売れたのです。日本酒にあまり馴染みのないパリでこの結果ですから、当然日本国内においても、他の国においても同様の結果を導き出せるはずです。「辛口酒は料理と合わせてこそ本領を発揮する」は、世界に通用する真実であり、日本酒ファンならば絶対に覚えておいてほしい言葉であると言えるでしょう。 次の事例は、もう20年ほど昔の事例になりますが、日本名門酒会の初期の頃からのオリジナル商品で、40年以上のロングセラー商品「特選司牡丹・純米酒」という商品があります。長野県で美容室を営む日本酒ファンの男性の方から、「特選司牡丹」の大ファンで、このお酒の1升瓶を仲間とともに(大半は1人で飲んだとのこと)500本飲んだことを記念してパーティを開催するので、是非とも司牡丹の社長にも参加してほしいという連絡があったのです。これは凄いということで、早速長野県に出張に行かせていただきました。会場には、「特選司牡丹」の500本分のキャップを使って「司牡丹」の文字を書いた大きなパネルが飾られており、感激したことを今でもハッキリと覚えています。さらに感激したのは、その方の言葉でした。「私は若い頃から日本酒の大ファンで、全国各地の名だたる銘酒を何百銘柄も飲み比べてきました。そんな中で、10年近く前にこの酒『特選司牡丹』に出会い、自分が求めてきた、いつまでも飲み続けられる酒はコレだと気づき、以来他の日本酒には目もくれず『特選司牡丹』だけを飲み続けて、ついに1升瓶500本を空けることができました。」・・・本当にこの言葉は、私の蔵元人生の中でも最高に蔵元冥利に尽きる嬉しい言葉でした。そしてさらに、その記念パーティの席上で、大感激の場面を目撃するのです。約20人ほどの地元の飲み仲間が集まってのささやかな宴でしたが、様々な地元料理がズラリと並ぶ中、用意されたお酒は「特選司牡丹」のみ、ただ1種類。その「特選司牡丹」を、常温やぬる燗などにして、その場にいる全員が宴の最初から最後まで、本当に楽しそうに酌み交わし続けたのです。宴の最後にその方が私に語った言葉は、今でも脳裡に焼き付いています。「私の言ったとおり、宴の最初から最後まで、美味しく飲み続けられる酒でしょう?」・・・私はこの時、自社の辛口酒の最大の魅力を、ファンの方から教えていただいたのです。
【門前編】日本酒がもっともっと楽しくなる凄ワザ8連発!(PDF形式:192KB)