【門前編】なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?~土佐の風土と土佐酒のSTORY~

First part of the gate

なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?~土佐の風土と土佐酒のSTORY~

今回は、私が理事長を務めさせていただいております高知県酒造組合について、土佐の風土をベースとした土佐酒のSTORYについてをメインに、語らせていただきたいと思います。イントロは、かつて第5回目に語らせていただいた「日本の原風景がここにある!土佐の高知の風土・食文化・酒文化」の内容と重なりますが、もう1年以上経過しておりますので、あらためて簡略化してご紹介させていただき、中盤あたりからは「なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?」に答えるカタチで、「土佐酒のSTORY」をお伝えしたいと思います。 【土佐の風土のSTORY~鮮度抜群の山・川・海の幸に日本一恵まれた高知県~】 土佐の高知の風土は、日本の47都道府県の中でも群を抜いて独特です。まず、森林面積比率が84%であり、これは日本一高い比率です。さらに降水量も多く日照時間も長い、つまり雨が降るときはドカッと降り、晴れるときはカラリと晴れるということです。と、いうことは、必然的に山の幸が大変豊富ということになります。春にはイタドリという、他県ではあまり食されない山菜が、好んで食されます。夏にはリュウキュウと呼ばれるハス芋の茎が当たり前のように食卓に並び、秋には日本一の生産量を誇る柚子が秋の様々な食材に搾りかけられ、冬には葉ニンニクが鍋料理などに頻繁に使われるのです。何と豊かな山の食文化でしょう! 続いて、この森林面積比率日本一と降水量の多さから、必然的に清流が豊富になります。連年のように水質ランキング日本一を獲得している奇跡の清流「仁淀川」や、日本最後の清流として名高い「四万十川」を筆頭に、「物部川」「吉野川」「奈半利川」など、まさに清流大国といえるほどです。そこに日照時間の長さも加われば、必然的に川の幸も大変豊富ということになるわけです。春には空揚げにすると絶品の川エビが獲れ、夏には太公望たちがこぞって鮎釣りにでかけ、秋には上海ガニより旨いと言われる天然のツガニ(モクズガニ)が獲れ、冬の川ノリ(スジアオノリとアオサノリ)は四万十川産が国内の大半を占めているほどなのです。何と豊かな川の食文化でしょう! 次に、地図でご覧いただければ一目瞭然ですが、高知県は大変長い海岸線を持っており、足摺岬の臼碆(うすばえ)は黒潮の本流が海岸に直接ぶつかる日本でただひとつの場所であると言われています。さらに大月町柏島周辺海域は魚種が1,000種類を超え、魚種の豊富さは日本一と言われており、世界中からダイバーが集まるダイバーの聖地となっています。つまり高知県は、海の幸も日本一豊富であると言っても過言ではないのです。春には、カタクチイワシの稚魚の生をドロメといってポン酢や葉ニンニクぬたなどで食し、夏は初鰹をワラ焼きタタキにしてタップリの薬味とともに食し、秋には捕れたてのサバを刺身にして食し、冬にはコラーゲンたっぷりのウツボを鍋にして食すのです。何と豊かな海の食文化でしょう! 【土佐の風土のSTORY~さらに独特の豊かな食文化~】 旅行雑誌「じゃらん」の宿泊旅行調査の「地元ならではのおいしい食べ物が多かった」部門においffて、高知県は過去13年間(2007~2019)で1位を7回、2位を4回獲得しており、この部門においてはトップの成績を収めているほどですから、さらに豊かで独特の食文化が、他にもまだまだ存在しているのです。園芸王国と呼ばれる高知県は、トマト、ナス、ピーマン、茗荷、生姜、文旦、小夏、新高梨、メロン、茶……などの作物がたくさん栽培されています。また、魚の干物も豊富な種類が存在しており、鰹節などの出汁文化もしっかり根付いています。さらに、ヘルシーな赤身肉が絶品の土佐あかうしや、脂身がジューシーな四万十米豚や、土佐ジローや土佐はちきん地鶏などの地鶏も豊富です。ちなみに日本鶏の原産品種が高知県には8種類存在しており、この品種数は日本一なのです。 そして、他県にはまったく存在しない独特の食文化として、土佐の酢みかん文化が存在していることも特筆すべきでしょう。柚子、ブシュカン、直七、ダイダイ……食用にするミカンではなく、搾りかけて使うこれら香酸柑橘(こうさんかんきつ)類のことを、土佐の高知では総称して「酢みかん」と呼びます。夏の冷奴には青柚子の皮を刻んで、晩夏から初秋が旬のメジカ(宗田鰹)の新子にはブシュカンを搾って、秋の戻り鰹の刺身にはタップリの直七果汁を、冬の鍋物には黄柚子を搾って……さらに、かの坂本龍馬さんは「サバの刺身にダイダイの酢をかけたのが大の好物」(「海援隊遺文」山田一郎著)だったと言われています。他県にも、徳島のスダチ、大分のカボス等がありますが、季節や食材によって、このように様々な「酢みかん」を使い分けるという大変豊かな食文化は、他のどこにもない、土佐の高知だけの大きな特徴なのです。しかも、この酢みかん文化によって、これまた高知県独特の郷土寿司文化が育まれています。酢飯に柚子酢を使った野菜寿司である「土佐田舎寿司」を筆頭に、「土佐の高知は何でも寿司にする!」と言われるほど多様な郷土寿司文化が、県内各地に今も根付いており、郷土寿司研究家の方から「郷土寿司大国」と呼ばれるほどのバラエティ豊富な郷土寿司が存在しているのです。 さらにさらに……そんな食を引き立てる、日本一うまい辛口酒である土佐酒の存在が、土佐の高知の食文化には絶対に欠かせません。加えて、輝く太陽のようにカラリと明るく人なつっこく、人を楽しませることが大好きな県民性を持つ、土佐人の存在も間違いなく欠かせません。さらに加えて、土佐の高知独特の「なかま文化」をベースとした独特の楽しい「おきゃく(土佐流宴席)文化」の存在も絶対に欠かすことはできません。ちなみに「なかま」という言葉は標準語では同志というような意味ですが、土佐弁にはもう1つの意味があり、「なかまにする」という素敵な言葉があるのです。たとえば2人の兄弟に1つの玩具が与えられた場合など、「この玩具、なかまにしょうね」というふうに使います。つまり、シェア、共有、共同利用などの意味です。土佐の高知の田舎では今でも、お隣との境界の塀などを作る場合、半額ずつ出し合って共有する、つまり「なかまにする」という分かち合いの文化があるのです。「献杯」「返杯」も杯を「なかまにする」ということですし、「皿鉢料理」もまさに料理をシェアし「なかまにしている」わけですし、土佐人が宴席であちこち移動するのも席を「なかまにしている」のです。つまり、土佐の高知の最大のウリをキャッチコピーにするなら、「食が美味しい!酒が旨い!人が明るい!そして世界一宴が楽しい酒国土佐!」ということになるでしょう。 【土佐酒のSTORY➀~風土と密接な辛口酒が頑としてベースに存在!~】 さて、ここからは、「なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?」に答えるカタチで、「土佐酒のSTORY」をお伝えいたしましょう。その答えの第一番目は、「風土・地域性・食文化と密接につながった辛口酒が頑としてベースにある!」ということです。近年、グルコース濃度の極めて高い甘い酒が、賞を獲得しやすいことや若者に人気であることから、全国の蔵元がこぞってそのような酒を造りはじめ、これにより全国の日本酒が、風土や地域性や食文化からドンドン離れていっています。しかし土佐酒は、土佐ならではの風土・地域性・食文化と密接につながった骨太な辛口酒が、頑としてベースに存在しているのです。「平成25~令和元年度全国国税局実施市販酒類調査結果」を見ると、まず「甘辛度」(順位:辛い)においては、「普通酒」「本醸造酒」「純米酒」「吟醸酒」の全ての酒質タイプで、高知県は連年のように1位や2位などの上位を占めています。つまり土佐酒は、全ての酒質タイプにおいて、全国一辛口であるということなのです。次に「酸度」(順位:高い)においては、特に「普通酒」と「吟醸酒」で常に上位に位置しています。つまり土佐酒は、全国有数の酸度が高めの酒質であるということです。続いて「アミノ酸度」(順位:低い)においては、またまた「普通酒」「本醸造酒」「純米酒」「吟醸酒」の全ての酒質タイプで、高知県は連年のように1位や2位などの上位を占めています。つまり土佐酒は、雑味が少なく(=アミノ酸度が低い)後口がキレイな酒質であるということです。まとめますと、「土佐酒は、全国一辛口で、酸がしっかりあって飲みごたえがあり、雑味が少なく後口がキレイな酒質である」ということになるわけです。そして、このような酒質こそが、土佐ならではの風土・地域性・食文化と密接につながった酒質なのです。 【土佐酒のSTORY➁~真逆の超甘口酒も発売され大人気!~】 しかし、土佐酒は、何も昔ながらの辛口酒ばかりを、頑なに造り続けているだけなのではありません。しっかりと流行りの酒質も押さえているのです。「なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?」、その答えの第二番目は、「辛口とは真逆の酒質である超甘口酒も各社から発売され、いずれも大人気!」ということです。高知酵母には「CEL-24」という、極めて高いカプロン酸エチル(リンゴ様の香り)を造り出す酵母があり、この酵母は発酵力が弱いため、超甘口の酒質となり、結果としてグルコース濃度の高い、一口飲んだだけで「うまい!」と分かる今流行りの酒質となります。最も有名な商品である「亀泉CEL-24」は、今やこの分野の草分けとして大人気を博しています。そして近年、土佐酒蔵元各社からCEL-24を使用した商品が、続々と新発売され、いずれも大人気となっているのです。令和3酒造年度現在では、「亀泉」「久礼」「桂月」「美丈夫」「豊能梅」「安芸虎」「瀧嵐」、そして「司牡丹」からも発売され、「CEL-24」商品は土佐酒蔵元8社から発売されています。 【土佐酒のSTORY➂~豊富な高知酵母と県産米を駆使し個性が豊か!~】 「なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?」、その答えの第三番目は、「バラエティに富む高知酵母と高知県産米等を駆使し、18蔵ならではの個性が豊か!」ということです。高知県工業技術センターでは、平成3年から高知酵母を開発し始め、その種類の豊富さは他県と比べて群を抜いて多いのです。リンゴ様の香りを出す「カプエチ系」、バナナ様の香りを出す「サクイソ系」、この両者を合わせたパイナップル様の香りを出す「サクカプ系」、ナチュラルな香りを出す「クマモト系」等、様々なタイプが存在しています。また高知県農業技術センターも、酒米の開発に力を入れています。平成8年開発の酒造適性米「土佐錦」を手始めに、平成10年には酒造好適米「吟の夢」が、平成13年には酒造好適米「風鳴子」が、そして平成31年には酒造好適米「土佐麗」が開発されているのです。そして、これらの酵母と酒米の組み合わせにより、18蔵各社から個性豊かな土佐酒が続々と誕生しています。ちなみに各社の酵母のタイプ別使用割合を見ると、「カプエチ系」が多い蔵、「サクイソ系」が多い蔵、「サクカプ系」が多い蔵、「クマモト系」が多い蔵等と、各社の好みがハッキリ出ており、似たような使用割合を示す蔵は全くないほど、各社の多様性が花開いているのです。 【土佐酒のSTORY➃~分析結果等を共有し全体のレベルの高さ日本一!~】 「なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?」、その答えの第四番目は、「分析結果等を共有し、全体のレベルの高さ日本一!入賞率・金賞率日本一!」ということです。高知県工業技術センターは、各蔵1社1社ではなかなかできないような、高度な成分分析などを担っています。高知酵母の配布、原料米の分析、麹の分析、モロミの分析……等々です。そしてさらに、18蔵全ての分析データを18蔵全てにフィードバックし、造りの情報を全蔵で共有しているのです。ここまで実施している県は他にはなく、このやり方は業界では「高知方式」と呼ばれているほどです。そしてこのやり方が、全体のレベルアップを生み出しています。令和3酒造年度の「全国新酒鑑評会」において、高知県酒造組合は入賞比率、金賞受賞比率ともに日本一を獲得するという快挙を成し遂げたのです。令和3酒造年度「全国新酒鑑評会」は、全国から826点が出品され、そのうち405点が入賞していますから入賞率は49%であり、その中で最高位金賞受賞は205点ですから、金賞受賞率は24.8%となります。高知県の出品は12点で、入賞は10点ですから入賞率は実に83.3%であり、金賞受賞は8点ですから金賞受賞比率は66.7%ということで、いずれも驚異的に高い数字となっているのです。これまでも、入賞率・金賞率ともに高知県は常に上位に位置しており、過去に金賞率日本一は経験がありますが、入賞率と金賞率ともに日本一というのは初めてのことでした。これはつまり、県全体の日本酒のレベルの高さが日本一であることの証明だともいえるでしょう。 【土佐酒のSTORY➄~産官学が連携し常にブラッシュアップ!~】 「なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?」、その答えの第五番目は、「産官学が連携しブラッシュアップ!酒米の品質も、未来品質も!」ということです。平成28(2016)年5月、産官学連携組織「土佐酒振興プラットフォーム」(竹村昭彦会長)の設立総会が開催されます。これは、土佐酒の認知度の向上及びその原料となる高知県産酒米の生産振興に向けた活動を維持するため、産官学の関係者が連携し、土佐酒に新たな価値を生むための方策などを検討する場として設立されたものです。そして、酒米の品質向上、土佐酒のさらなる品質向上とブランド化、土佐酒の販路拡大と輸出拡大などを推進し、好循環を実現させようという目論見です。メンバーは、高知県酒造組合、高知県産業振興推進部地産地消・外商課、高知県農業振興部環境農業推進課、高知県農業協同組合農畜産部、高知県工業技術センター、高知県農業技術センター、国立大学法人高知大学など。平成28(2016)年より「高知県酒米品評会」も開催されるようになり、県産酒米の品質は年々向上しています。高知県酒造組合としては、県庁やJAとの関係なども円滑になり、大学教授との連携による調査研究なども進められるようになり、土佐酒は常にブラッシュアップし続けているのです。土佐酒は、未来品質までも約束されていると言っても過言ではないでしょう。 【土佐酒のSTORY➅~土佐酒として一丸となったブランドコンセプトが明確!~】 「なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?」、その答えの第六番目は、「土佐酒として一丸となったブランドコンセプトが明確!」ということです。土佐酒ブランドコンセプト「TOSANAKAMASAKE」が、平成29(2017)年に策定されます。ちなみに「NAKAMA」とは、土佐弁で「なかまにする」は、共有する、共同利用する、シェアするという意味を持ちますから、ここでの「NAKAMA」には一般的な「同志」の意味と、「共有」の意味という、2つの意味を持たせています。そして土佐酒ブランドコンセプト「TOSANAKAMASAKE」は、以下の4つの「NAKAMA」が柱となっています。➀「杯をNAKAMA!」:土佐ならではの辛口は、何杯でも飲み続けられる!つまり、1つの杯をなかまにする(共有する)土佐の返杯・献杯やお座敷遊び、あちこち移動し席もなかまにして酌み交わす土佐の「おきゃく」(宴会)に最適な、辛口の酒質であるということです。➁「食とNAKAMA!」:土佐の豊富な山川海の幸の美味しさを引き立てる!土佐酒は、料理と合わせて飲んだ場合にこそ、真価を発揮します。料理の素材そのものの良さを、出汁のように下から支え、美味しさを一層引き立ててくれるため、見事に食と仲間(調和する)になります。➂「技をNAKAMA!」:造りのデータを共有し、全体がハイレベルに!高知県酒造組合では、高知県工業技術センターに依頼し、造りの時期には全蔵を巡回指導してもらい、さらに各蔵の麹やモロミ等を採取、それらをデータ化し全蔵にフィードバックしています。これは、全蔵で造りのデータをなかまにする(共有する)ことにより、全体のレベルアップにつなげようとするものです。➃「人とNAKAMA!」:土佐酒を酌み交わせば、誰でもすぐ仲間!結果として土佐酒は、酌み交わせば誰でもすぐ仲間になれる、人間関係を良好にする潤滑油としての効果が大変高い、優れたコミュニケーションツールとなります。ある意味それは、ネットに勝る最高のコミュニケーションツールであるとも言えるでしょう。 【土佐酒のSTORY➆~世界初のユニークな取り組み!宇宙酒、深海酒、宇宙深海酒~】 「なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?」、その答えの第七番目は、「世界初のユニークな取り組み!宇宙酒、深海酒、宇宙深海酒!」が存在するということです。平成18(2006)年に、高知県酒造組合の蔵元から、宇宙を旅した高知県産酵母を使った世界初の「土佐宇宙酒」が発売され、全国で話題になり、アッという間に完売しました。ちなみにその後、平成21年より、宇宙を旅した高知県産酒米を使用した、完全「土佐宇宙酒」となっています。そして平成31(2019)年3月、その「土佐宇宙酵母」を今度は水深6,000mの深海に沈めようというプロジェクトが始動します。しかし…水温1.5℃、600気圧に1年間という過酷な環境に耐えられず、翌年3月に引き上げられた酵母は全滅していたのです。そこで同年4月からは、酵母に圧力をかけて生き残った株を培養するという作業を繰り返し、圧力に強い酵母が育成されます。そして令和3(2021)年1月、パワーアップした「土佐宇宙酵母」が、水深6,200mの深海にリベンジ挑戦。同年5月、水温1.7℃、600気圧に4ヶ月間という過酷な環境に置かれた酵母が引き上げられます。やはり大半の酵母は死滅していましたが、生還した酵母が遂に現れたのです!その生存確率は、何と3億分の1という奇跡に近い確率でした。こうして「土佐宇宙深海酵母」が誕生し、高知県酒造組合蔵元から、またも世界初の「土佐宇宙深海酒」が発売されることとなりました。しかも、「宇宙酒」(4銘柄)、「深海酒」(4銘柄)、「宇宙深海酒」(6銘柄)の3タイプにバリエーションも増加し、各社から続々と発売されています。「宇宙酒」を味わえば、きっと「宇宙のように果てしないパワーがみなぎる!」ことでしょう。「深海酒」を味わえば、きっと「深海のように奥深い味わいが満喫できる!」ことでしょう!そして「宇宙深海酒」を味わえば、「宇宙のように果てしなく、深海のように奥深い味わいが堪能できる!」上に、生存確率3億分の1、高低差40万6千m、無重力から600気圧までを耐え抜くという、クレイジージャーニーの主人公になった気分も堪能できることでしょう! 【土佐酒のSTORY➇~「なかま」を広げるツール「酔うちゅう部」誕生!~】 「なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?」、その答えの第八番目は、「『なかま』を広げるツール『酔うちゅう部』!」が存在しているということです。「酔うちゅう部」は、コロナ禍の令和2(2020)年4月にスタートしました。高知県酒造組合が初期費用を捻出し、土佐酒アドバイザーアソシエーション(※「土佐酒アドバイザー」:平成4年~研修・認定スタート。現在約500名が認定。)が運営する、Zoomのようにオンライン飲み会が開催できるサイトで、現在登録料も利用料も無料となっています。当初6名、現在は20名まで利用可能で、クローズ飲み会とオープン飲み会が開催できることが特徴であり、コロナ禍のオンライン飲み会に大活躍し、県内マスコミの取材も殺到し話題となりました。そして、令和3(2021)年、「酔うちゅう部」を活用した海外展開事業が国税庁のブランド化推進事業に採択されます。これにより、新たに「土佐酒18蔵の紹介動画(英語テロップ付き)」や「翻訳機能(日本語⇔英語)」等が加わり、バージョンアップ!令和4年4月より正式稼働し、土佐酒を「なかま」に世界中から仲間が集うサイトとして進化しているのです。
★「酔うちゅう部」URL:https://youtu-bu.jp/
【土佐酒のSTORY➈~園芸王国・土佐ならではのリキュールもバラエティ豊富!~】 「なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?」、その答えの第九番目は、「園芸王国・土佐ならではのリキュールもバラエティ豊富!」ということです。日照時間も降雨量も連年全国トップクラスという気候風土で育った、生命力あふれる独特の果物等が豊富で、「園芸王国」と呼ばれている土佐の高知。そんな豊富な果物等を活用し、バラエティ豊富なリキュールも数多く誕生しています。「柚子」を筆頭に、「ブシュカン」「直七」「小夏」「みかん」「ポンカン」「文旦」「ベルガモット」などの柑橘類ベースのものや、「新高梨」「トマト」「生姜」「やまもも」等々……そのバラエティの豊富さは、おそらく日本一ではないかと言われているほど。そして、土佐の地リキュールは、国内はもちろん、海外でも大人気となっているのです。 【土佐酒のSTORY⑩~あちらこちらからも応援者続出!天も土佐酒を応援!~】 「なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?」、その答えの第十番目は、「あちらからもこちらからも応援者続出!天も土佐酒を応援!」ということです。土佐の高知や土佐酒に対して、近年特にあちらこちらからも応援者が続出しているのです。まず、令和3(2021)年7月には、細田守監督のアニメ映画「竜とそばかすの姫」が公開され大ヒットとなります。このアニメは高知県が舞台で、仁淀川の清流が取り上げられ大変な話題となり、今や仁淀川は聖地となっています。仁淀川水系の仕込水を使っている土佐酒も多く、そういう意味では土佐酒にとっても、このアニメ映画は大いなる応援者であると言えるでしょう。そして、令和5(2023)年春より、NHK朝ドラで日本植物学の父、高知県佐川町出身の牧野富太郎博士をモデルにした「らんまん」の放送が開始されます。主人公は神木隆之介さん、ヒロインは浜辺美波さんですから、これはもう大ヒット間違いなしでしょう。ちなみに牧野博士は、酒蔵の息子ですから、物語の前半には酒蔵のシーンも登場する予定です。さらに近年のボタニカルブームに拍車がかかることになり、高知県の豊かな自然や豊富な野菜たちが、ますます注目を浴びることになるでしょう。令和5年春からのNHK朝ドラは、土佐の高知の、そして土佐酒の、最高の応援者となってくれることでしょう!さらに令和6(2024)年春には、ドキュメンタリー映画「おきゃく」(OKYAKU)が公開される予定です。ここまで続くということは、まさに天も土佐酒を応援してくれているということでしょう!令和4年3月に、高知県ファンの「dancyu」の植野広生編集長が高知県知事より高知の食のPR活動の委嘱状を授与されましたが、その席にて植野編集長が発起人となり、「おきゃく」文化を世界に発信する映画を製作すると発表したのです。植野編集長は、高知県の「おきゃく」文化を、世界に誇るべき素晴らしいおもてなし文化の原点と断言され、これを世界に広めるために、映画を制作し世界中に発信していきましょうと語られています。そして、この映画制作の推進メンバーには、高知県酒造組合理事長として、私も名を連ねさせていただいていますが、これは単に理事長だからとかではありません。このコロナ禍の長期化で、土佐の高知の一番のウリである、「食が美味しい!酒が旨い!人が明るい!そして世界一宴が楽しい酒国土佐!」の大切な一角が崩れる……つまり世界一楽しい「おきゃく」文化が、消え去ってしまうかもしれないという危機感の方が強いのです。コロナ禍となっての約3年、返杯・献杯も、宴会での席の移動も、皿鉢料理の取り分けも、可杯や箸拳などのお座敷文化も、土佐らしい密な宴席は何ひとつ実践できなくなってしまい、本当に絶滅してしまうかもしれないと本気で心配しているのです。だからこそ、映画「おきゃく」(OKYAKU)の制作を、土佐の高知の未来のためにも、世界一宴が楽しい地域をこの国に残すためにも、何としても成功させたいという、強い使命感を抱いているのです。こんな念いに少しでも共感していただけましたら、是非とも映画「おきゃく」(OKYAKU)にご協賛いただけましたら幸いです。詳しくは、次のサイト(https://www.okyakumovie.com/)をご覧ください。ちなみにこのサイトには、映画の予告動画も掲載されており、そこには私も出演しており、念いなども語らせていただいていますので、是非こちらの予告動画もご覧いただけましたら幸いです。 【土佐の高知がサン・セバスチャンを超える日!】 「なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?」に対する、10の答えを挙げさせていただきましたが、「なるほど、そうだったんだ!」と納得していただけたり、あるいは共感していただけましたら、こんな嬉しいことはありません。そしてさらに私は、そう遠くない未来に、土佐の高知がサン・セバスチャンを超える日がやってくると、本気で確信しているのです。サン・セバスチャンといえば、スペインはバスク地方の人口18万人ほどの小さな街ですが、世界一の美食の街と言われ、この極めて交通の便の悪い街に世界中から観光客が押し寄せているのです。(※ここ数年はコロナ禍のため現状は分かりませんが。)今はまだ、土佐の高知はサン・セバスチャンには到底およびません。しかし、「食が美味しい!酒が旨い!人が明るい!そして世界一宴が楽しい酒国土佐!」を、さらに磨き上げ続けていけば、土佐の高知が憧れの地として世界中の国から仰ぎ見られる存在となり、世界一楽しい宴を求めて世界中の国々から観光客が殺到することになり、サン・セバスチャンを超える日は、そう遠くないであろうと私は確信しているのです。