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【門前編】入門者外に奥義初公開!五感と表現力が磨かれる「共感覚唎酒法」!

First part of the gate

入門者外に奥義初公開!五感と表現力が磨かれる「共感覚唎酒法」!

今回は、「酒道黒金流」が創始され、入門者を募集し始めてから、もう2年近くになりますので、これまで入門者の方々のみにしか公開していなかった「酒道黒金流」ならではの奥義のひとつといえる「共感覚唎酒法」を、入門者外に初公開したいと思います。この「共感覚唎酒法」を学べば、唎酒能力が高まることのみならず、五感や表現力が磨かれ、さらにコミュニケーション能力も高められるというものです。なお、以下の動画や文章は、2年近く前に入門者の方々のみに公開させていただいた動画と文章をそのまま使わせていただいておりますので、その点は何とぞご了承ください。 【「共感覚」とは?】 「共感覚」とは、「文字に色が見える」とか「色に音が聞こえる」とか、五感のうちの2つの感覚が同時に働く知覚様式のことです。たとえば、赤色の「8」という数字が何千個も1つのモニターに表示されている中に、1個だけ赤色の「9」という数字が混ざっている場合、普通の人にはこれを見つけ出すのは至難の業です。しかし「文字から音が聞こえる」というタイプの「共感覚」保持者は、一瞬にして見つけ出すことができます。なぜなら彼らは、「9」からは「8」と違う音が出ていると言うのです。このような「共感覚」保持者は、実は何千人に1人程度の割合で存在しており、優れた芸術家などに多いと言われています。そして、このような限られた天才しか持っていないと思われていた「共感覚」ですが、実は鍛えれば誰にでも備わってくる能力であると語っている研究者の方もいます。さらに、実は日本人は古来からこの能力を保持していたのではないかと語る研究者もいるのです。日本語には「黄色い声」(視覚+聴覚)、「渋い声」(味覚+聴覚)、「甘いマスク」(味覚+視覚)等の表現が昔から数多く存在していることが、何よりの証拠だというのです。そして、日本人はこの「共感覚」のお陰で、もともと優れたコミュニケーション感覚を持っていたというのです。 【「共感覚唎酒法」とは?】 「共感覚唎酒法」とは、日本酒を唎酒する際に、その日本酒の香り(嗅覚)や味わい(味覚)を、カタチや色や風景(視覚)、擬音語・擬声語や音や音楽(聴覚)、手触りや身体感覚や擬態語(触覚)で表現してみるという、これまでになかった唎酒法なのです。このトレーニングを重ねていくことにより、唎酒能力がアップするのみならず、嗅覚や味覚が鋭敏になり、あらゆる感覚が研ぎ澄まされていき、五感や表現力が磨かれていきます。さらにトレーニングを重ねていけば、第六感までも磨かれ、相手の言葉に惑わされずに本心を一発で見抜くことなども可能になり、コミュニケーションの達人になれるというほどのものなのです! 【一般的な日本酒の唎酒方法】 ➀唎酒の必要性 酒類の品質やタイプを判定するには、唎酒という方法が採られます。科学技術が発達している現代において、人間の感覚に頼ることは非科学的だと感じられるかもしれませんが、酒類の香味成分は分析可能なものだけでも数百種類におよび、さらにこれらの成分の微妙な組み合わせによって、酒類の複雑な香味が成り立っています。したがって、科学分析値だけでは、嗜好品である酒類の品質を表現することは難しく、人間の感覚による唎酒という方法が最も優れているとされているのです。 ➁唎酒上達のポイント 唎酒能力は訓練によって上達しますが、その際、次の点に注意すると上達が早いと言われています。

●唎酒用語を覚える(酒類の香り、味、外観等を表現する用語)。

●唎酒結果を記録する。

●唎酒の堪能な人の指導を受ける。

●頭の中に、酒質に関する尺度をつくる(甘い、辛い、濃い、淡い等)。

●心身とも集中した状態で唎酒を行う。

➂唎酒の容器と温度 白磁製で底に青い蛇の目(じゃのめ)模様の入った、容量180ml程度の「唎猪口」(ききちょこ)を使うのが一般的です。この容器に7〜8分目の日本酒を入れて唎酒します。蛇の目の模様は、この模様の白と青のコントラストにより、お酒の色調や透明度の具合等を見るためのものです。また、唎酒の際の日本酒の温度は、15〜20℃程度の常温が適当と言われています。 ➃唎酒の手順

(1)目でよく観察し、色調、透明度、浮遊物の有無についてチェックします。

(2)唎猪口を鼻に近づけ、軽く回して香りの特徴や強さをみます(上立ち香)。

(3)少量(3〜5ml)を口に含み、すするようにして日本酒を舌の上に広げ、味をみます。同時に口から鼻に抜ける香りもチェックします(含み香)。日本酒を口に含む量は常に一定にし、口中に止めておく時間は2〜5秒くらいが適当です。

(4)日本酒を吐き出し、後味をチェックします。

(5)香り、味、外観等を総合評価した点数、酒質の特徴、長所、短所等を記録します。

<参考>採点方法:総合評価は5点法または3点法で点数をつけるのが一般的です。

[5点法]1:優2:やや優3:普通4:やや劣る5:劣る

[3点法]1:優2:普通3:劣る

➄唎酒用語
(1)色沢に関するもの

[良い評価]

色沢良好:色合いが好ましい様の定番表現。

冴え:美しく透き通った光沢のこと。薄い黄色みの中に、やや青みがかって見える状態を青冴えといい、高く評価される。

照り:淡黄色に澄んで艶の出た状態。おおむね好まれる。

[悪い評価]

色濃い:加熱・過熟により度を越えて着色している状態。

濁り:明澄さがない状態。

ぼけ:少々混濁して、色彩がぼやけていること。

(2)香りに関するもの

[良い評価]

新酒香:新酒特有の若い香り、麹ばなともいう。

吟醸香:吟醸酒にみられる華やかな果実様の香り。大きく分けて、カプロン酸エチルというデリシャスリンゴや梨のような甘酸っぱくみずみずしい香りと、酢酸イソアミルというバナナやメロンのような甘い果実のような香りの2種類がある。

熟成香:熟成したバランスの良い香り。

樽香:木製容器貯蔵により生じる良い香り。

調和:上立ち香と含み香の調和がよい。

[悪い評価]

老香(ひねか):酸化、劣化した臭い。

生老香(なまひねか):生酒の劣化した臭い。

アセトアルデヒド臭:アセトアルデヒドの刺激的な臭い。

木香様臭(きがようしゅう)ともいい、木の香りや草やワラにも似た臭い。

ジアセチル臭:ジアセチル(ダイアセチル)の臭い。

モロミで酵母の増殖が遅れたとき、乳酸菌などの細菌類が異常に増殖したとき、日本酒が火落ちしたときに生じる、ヨーグルト様の香り。(火落ち香、つわり香)

※火落ちとは、日本酒に火落菌と言われる特殊な乳酸菌が繁殖すること。日本酒は白濁し、一般に酸の生成、特異臭(火落臭)の発生を伴い、飲用にたえなくなる。

炭臭:多量の炭の使用または炭漏れによるクセ。

濾過臭(ろかしゅう):濾材または濾過助剤に起因する等、濾過工程でついたと思われる異臭。紙臭を含む。

酢エチ臭:酢酸エチルの刺激を伴う臭い。セメダイン様の臭い。

カビ臭:カビの臭い。

酸臭:酢酸、酪酸等の揮発性有機酸の臭い。

(3)味に関するもの

[良い評価]

淡麗:すっきりして、味の調和がよい。

なめらか:口当たりがなめらかである。角がない。

切れが良い:あと味の切れが良い。

旨味ある:旨味がある。

濃醇:味が濃く、よく調和している。

[悪い評価]

うすい:味がうすく物足りない。

雑味:味が多すぎて上品さに欠ける。

渋味:渋味が残る。

苦味:苦味が残る。

酸うく:酸味が浮き、目立つ。

甘うく:甘味が強く不調和である。酸味がうすく、甘味が浮いて味にしまりがない。

【「共感覚唎酒法」の具体的な方法】

➀「共感覚唎酒法」の必要性

前出の「一般的な日本酒の唎酒方法」をご覧いただいて、気づかれた方も少なくないでしょう。ここに示されている「唎酒方法」は、プロが日本酒の異臭や異味や劣化などを発見するため、あるいは欠点などを指摘するための唎酒方法ですから、実は良い評価の言葉よりも悪い評価の言葉の方が多くなっているのです。また、良い評価の言葉であっても、ちょっと面白みがないというか、ワクワクするような表現があまりないと言えるのではないでしょうか。そこで「酒道黒金流」では、「共感覚唎酒法」という新しい唎酒法を創造し、推奨していくことにいたしました。日本酒の香り(嗅覚)や味わい(味覚)を、カタチや色や風景(視覚)、擬音語・擬声語や音や音楽(聴覚)、手触りや身体感覚や擬態語(触覚)など、自分の得意な分野の別の五感で表現してみることで、これまでにないワクワクするような愉しい唎酒が可能になると考えています。尚、この「共感覚唎酒法」は、まだスタートしたばかりですので、決まりや法則があるわけではありません。そのため、皆様のご協力がなければ、今後の発展はあり得ないのです。是非とも共に学び、共に育てていっていただけましたら幸いです。

➁「共感覚唎酒法」上達のポイント 共感覚唎酒能力は訓練によって上達しますが、その際、次の点に注意すると上達が早いと思われます。

●自分の得意な、あるいは好きな五感分野の表現を見つけておく。(視覚の分野で色の表現が得意、など。)

●自分の得意な、あるいは好きな分野の言葉や表現方法を覚えておく。(様々な色の名前や楽曲名、擬音語・擬声語や擬態語等を覚える、など。)

●共感覚唎酒表現を記録する。(正解も間違いもありません。自身の感覚のみで、何の制約もない状態で表現し記録する。)

●友人や仲間と、共感覚唎酒の表現を情報交換し合う。

●日常の中で、「〇〇みたいな感じ」と、五感の中で別の感覚を使って、様々な言い換えをしてみる。(特に食事の際の香りや味わい。生活の中で目にした物や聞こえた音など。)

➂「共感覚唎酒法」の容器と温度

確かに、日本酒の色沢を見る場合は、白磁製で底に青い蛇の目模様の入った「唎猪口」が、最も分かりやすいといえます。透明なグラスでは、テーブルの色などが邪魔をして、その酒本来の色沢が分かりにくいからです。しかし、プロ用の「唎猪口」は価格も高めですし、どこでも売っているようなものでもありませんので、まずはご自宅にある冷酒グラスやワイングラスや杯などでも大丈夫です。ただし、杯などの場合は、白磁以外の色がついていると、酒本来の色沢を判別することは難しくなります。グラスの場合は、色のない透明グラスなら、テーブルに白い紙などを置いて、その上にグラスをかざして見ると、中身の酒の色沢が分かりやすくなります。(ゆくゆくは、「酒道黒金流オリジナル唎猪口」を制作する予定です。)また、唎酒の際の日本酒の温度は、15〜20℃程度の常温が適当と言われていますが、これは同じ温度で唎酒しないと条件が変わってしまい、比較ができなくなるからです。「共感覚唎酒法」では、通常は15〜20℃程度の常温で唎酒しますが、日本酒のタイプによっては、冷やしたり温めたりと様々な温度で唎酒し、より幅広い愉しみ方を追求していきます。

➃「共感覚唎酒法」の手順

(1)目でよく観察し、色調、透明度、浮遊物の有無についてチェックし、その様子を、別の五感(味覚、嗅覚、聴覚、触覚)で表現してみます。※通常は、日本酒の外観の差はあまりありませんので、ここは外観に特徴がある場合のみにして、省いてもOKです。

(2)グラスを鼻に近づけ、軽く回して香りの特徴や強さをみます。その際の上立ち香を、別の五感(視覚、味覚、聴覚、触覚)で表現してみます。

(3)少量(3〜5ml)を口に含み、すするようにして日本酒を舌の上に広げ、味をみます。同時に口から鼻に抜ける香りもチェックします。そしてその含み香を、別の五感(視覚、味覚、聴覚、触覚)で表現してみます。日本酒を口に含む量は常に一定にし、口中に止めておく時間は2〜5秒くらいが適当です。

(4)日本酒を吐き出し(もちろん唎酒の点数が少なければ飲み込んでもよい。)、後味をチェックします。そして味わいを(前味、中味、後味と分けてもよい。)、別の五感(視覚、嗅覚、聴覚、触覚)で表現してみます。

(5)香り、味、外観等を総合評価し、酒質の特徴、長所、短所などを含めた全体としてのイメージを、何か別のもので喩えてみます。たとえば、女優やアーティスト、絵画や芸術品や楽曲など。


➄「共感覚唎酒法」表現の参考事例

●美しく冴える外観

→「風林火山〜月冴ゆ夜〜」の上妻宏光の三味線の音色のように、冴え冴えとした外観(視覚→聴覚)

→キンキンに凍って軒から突き下がる氷柱(つらら)のように、美しく冴える外観(視覚→触覚)

●デリシャスリンゴのような華やかな吟醸香(カプロン酸エチル)

→お多福の頬色のように華やかで艶やかな香り(嗅覚→視覚)

→ビバルディ「四季」の「春」のヴァイオリンの音色のような華やかさを持つ香り(嗅覚→聴覚)

→めったに笑わない美人上司が「ウフフ」と笑った瞬間のように、凛とした華やかさのある香り(嗅覚→視覚&聴覚)

●バナナのような甘い果実様のフルーティな吟醸香(酢酸イソアミル)

→一面の菜の花畑に佇んでいるかのような甘くフルーティな香り(嗅覚→視覚)

→ミニー・リパートン「ラヴィン・ユー」の歌声のように、胸がキュンとなる甘く切ない香り(嗅覚→聴覚)

→もふもふのマフラーを巻いて半分以上顔が埋もれた20代美人OLが、クルリと振り返った瞬間のようなフルーティな香り(臭覚→触覚&視覚)

●淡麗でなめらかでキレのある辛口

→藍染めの瓶覗(かめのぞき:淡い緑みの、薄い藍色)の浴衣ように淡麗爽やかな辛口(味覚→視覚)で、パーカッションのボンゴのようにキレのよい後口(味覚→聴覚)

→さやさやと流れる清流の上流のように淡麗で、土佐の太陽のようにカラリと晴れ渡るキレのよさ(味覚→触覚&視覚)

→イケメン細身のチョイ悪オヤジが、少年のように無防備な笑顔で「アハハ」と笑った瞬間のように爽やかな辛口(味覚→視覚&聴覚)

●どっしりした幅のあるリッチな旨味

→底深い群青色の大海原のようにドッシリと雄大な旨味(味覚→視覚)

→モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」のような重厚感ある旨味(味覚→聴覚)

→レンガ造りの暖炉の横に、ガッシリした広い肩幅のコートが掛けられているような、どっしりとした味わい(味覚→視覚&触覚)


※参考事例の表現は、これが正解というようなものではありません。あくまで私の直感と妄想で表現したものであり、人によってはまったく違うイメージの表現になるかもしれませんが、それでいいのです。ただし大事なポイントは、誰にも伝わらないような表現では意味がありませんので、自分の中にしかないイメージを、いかに多くの方々にも分かりやすく伝えられるか、という点でしょう。