【門前編】「永田農法」創始者・永田照喜治先生から学んだこと

First part of the gate

【門前編】「永田農法」創始者・永田照喜治先生から学んだこと

今回は、司牡丹酒造の高知県内における酒米づくりの基本となる「永田農法」について、そして創始者である永田照喜治先生から、私が21年間のお付き合いの中で学んだことなどについて、詳しく語らせていただきたいと思います。

<永田照喜治先生との出会い> 私の食と農における師匠である「永田農法」の創始者・永田照喜治先生との出会いは、平成7(1995)年にまでさかのぼります。その時から、享年91歳にて永眠される平成28(2016)年まで、21年間に渡って直接ご指導いただき、様々なことを学ばせていただきました。平成7年、ある勉強会に招かれて来高された永田先生の講演を聴かせていただき、お会いしたのが最初でした。そしてその時、永田先生からうかがったお話は衝撃的でした。「永田農法」とは、農薬はむろん、肥料や水も必要最小限しか与えず、植物本来の生命力を最大限に引き出す農法であり、環境に対する負荷も小さいことが特徴で、スパルタ農法、原産地再現農法とも言われています。一般に、農作物の原産地は厳しい風土が多く、あえてそれと同じような厳しい条件で栽培された作物は、植物本来が持つ生命力が目覚め、先祖がえりしたかのように活力あふれた姿になり、さらに有害成分が少なく、栄養価が高く、健康にも良い作物になるというものです。 ちなみに「永田農法」で最も有名なのはトマトでしょう。一般のトマトと比べ糖度がおよそ3倍以上、ビタミンCは最高30倍にもなるものまで栽培されているというのですから驚きです。トマトは原産地がアンデス山脈の山奥であり、元来日本には存在していません。それを、雨が多く湿度も高い日本で健康的に育てるには、ビニールハウスやガラス温室を使います。雨除け、湿気除けのためです。そして土は、原産地のように肥えていない、石コロだらけのような所が理想的。次に肥料は窒素、リン酸、カリのみの液肥を少量だけ使い、水も必要最低限の少量を与えると、甘くて酸っぱくて濃厚な、先祖返りして筋肉モリモリのお化けトマトになるというわけです。 そして永田先生は、他にも様々な農作物を全国各地、世界各国で栽培指導され、画期的な成果をあげられているとのこと。当時の高知県は台風が多く、そのため二期作などで「質より量」の米作りが中心でしたが、私は高知県で最高の酒米を作りたいという夢を持っていました。「高知で優れた山田錦の栽培は可能でしょうか?」とたずねたところ、永田先生はアッサリと「できますよ。新潟でも私の指導で優れた山田錦ができています。一緒に見に行きますか?」と語られたのです。「東北や新潟などの寒冷地では山田錦は栽培できない」(平成7年当時)と聞かされていた私はビックリし、正直マユツバではと疑いました。しかし、真偽を確かめる意味も含め、私は永田先生と新潟まで同行してみることに決めたのです。 <「永田農法」実践地巡りと永田先生のお話し> 永田先生が指導されている新潟県吉川町のJA吉川(当時)では、素晴らしい山田錦が栽培されていました。もっとも、苦労は並大抵ではなかったようで、稲刈り寸前の時期に雹(ひょう)が降り、全滅状態になったこともあったようです。やはり適地以外ではそれなりのリスクがあるということでしょう。しかし品質の高さは目を見張るものがありました。酒米の品質の高さを示す指標に、タンパク含有量が少ないということがありますが、そのタンパク含有量が、最高品質といわれる兵庫県産特上山田錦に匹敵するほどのものまで栽培されていたのです。 その後、さらに興味をそそられた私は、永田先生と共に、全国の「永田農法」実践地を1年間ほどかけて回らせていただきました。そしてご同行の永田先生から、様々なお話もうかがうことができました。永田先生のお話は、農業の一般常識とは異なっているように見えますが、農業シロウトの私などにとっては実に分かりやすく、理にかなっていたのです。たとえば、「トマト栽培の肥料に、なぜ有機肥料でなく化学肥料の液肥を使うのか?」との質問に対する永田先生の回答は、次の通り実に明快なものでした。この内容が、よく質問される、「永田農法と有機農法の違い」であるといえるでしょう。 「いま流行りの一般的な有機農法の大半は、問題点が多いんです。具体的にいいますと、 どんな有機物も完全に発酵し、窒素・リン酸・カリ(N・P・K)の無機の3要素に分解されてはじめて植物に吸収されるのです。中学生程度の理科の知識があればすぐ分かることでしょう。つまり、植物にとって肥料とは、常にN・P・Kの無機物なのです。具合の悪いことに有機物は、無機に分解される過程でメタンガスが発生し、これが作物の根を痛めてしまいます。そしてさらに、有機肥料の原料となる堆肥自体の安全性の問題もあります。そればかりか、有機肥料を大量にまくことにより、その成分が川から海にまで流れ出し、いま世界中で重大な環境汚染を引き起こしています。有機肥料は、素性の確かな堆肥をキチンと発酵させて、必要最小限使うことが条件になるのです。しかしそれは、大変難しいことです。まず、素性が確かで安全な堆肥を充分時間をかけて発酵させた有機肥料など、滅多に手に入りません。それはエサからの問題になりますし、さらに長年の経験がなければ作れるものではないからです。次に、仮にそのような条件にかなう有機肥料が手に入ったとしても、最適のタイミングで必要最小限を与えなければなりませんが、それにも長年の経験が必要になります。これが化学肥料の液肥なら、少し勉強するだけでタイミングと必要最低限の量を与えることが容易になるのです。そしてその化学肥料液肥の安全性は、私が指導して作る、根がしっかりと張った健康的な農作物の現実の姿を見、それらを食すれば・・・もうお分かりでしょう?」 <佐川町と窪川町で「永田農法」山田錦栽培に挑戦!> 1年間永田先生とともに全国の「永田農法」実践地を回り、「永田農法」は本物であると私は確信しました。そして翌平成8年より、永田先生の直接指導により、高知県佐川町と窪川町(現四万十町)の2ヶ所にて、「永田農法」山田錦栽培がスタートすることになったのです。まず苦労したのが、土地選び。あまり肥えていない、窒素分の少ない、水はけの良い、風通しの良い、家庭排水の入らない、夕日の当たる棚田が理想・・・等々の条件をクリアした圃場を選ばなければなりません。土壌成分も調べるのですが、現代農業では窒素過多の圃場が多く大変でした。さらに大変なのが、農家の方々の意識変革です。「肥料はほとんど与えない」「水もできるだけ切って陸稲的に育てる」というのですから、肥料も水もタップリ与えて収量を増やす農法しか知らない農家にとっては、まさにコペルニクス的転換が求められたのです。否定的意見が噴出する中、勉強会を繰り返し、説得に駆け回り、何とか両町とも数軒の農家が挑戦してくれることに決まります。しかし・・・貧弱な稲姿を見かねて、肥料を大量に与えてしまう農家が続出!案の定、そんな圃場の稲は伸び放題に伸び倒伏したのです。さすがに正直諦めかけました。ところが・・・1年目から結果を出した農家が数人現れたのです!農家別に山田錦のタンパク含有量を調べると、結果は歴然でした。肥料をやり過ぎた米は、タンパクも高く、根も弱く倒伏し脱粒したため、結果的に収量も少なくなりました。一方、指導通り実践した農家の米は、初年度から兵庫県産特上山田錦のタンパクに近い数値を叩き出し、倒伏もなかったため、何とか反収で5俵程度採れたのです。そしてこの結果のお陰で、他の農家の意識も変わりはじめます。ちなみにこの初年度の山田錦は、米の品質にかなりバラつきがあったため、「永田農法」の名を冠した酒としての販売は見送られました。 2年目の平成9年には、どの農家もこちらの指導通りに栽培してくださり、上々の出来栄えの山田錦が採れ、ついに「永田農法」の名を冠した商品が発売されることになります。しかし、3年目の平成10年9月24日、高知県は記録的な集中豪雨に見舞われます。県内各地に甚大な被害がありました。さすがの「永田農法」米も、倒伏は免れても、脱粒や穂発芽を免れることは出来ませんでした。(※山田錦は、風雨により脱粒しやすい、穂発芽しやすいという特性を元々持っています。)結局、窪川は何とか等外米比率13%程度に止まりましたが、佐川は60%近くが等外米となってしまったのです。ちなみに等外米とは、等級審査に合格しなかった米のことであり、いくら山田錦であっても等外米となれば、本醸造酒以上の特定名称酒には使用できません。そのためこの年の造りの司牡丹の普通酒(土佐司牡丹)は、原料米に大量の山田錦(等外米)を使うことになったのです。そして私は、この状況では農家の皆さんから批判が殺到し、今後の山田錦づくりは中止となってしまうかもしれないと、覚悟をしていました。ところが・・・「農業は自然が相手やき、まあこんな年もあるわい」「タンパクは少なかったみたいなき、えい酒は出来るろう」・・・彼らの言葉には、非難も文句もグチも、一切なかったのです。 ある意味、この3年目の試練のお陰で農家の皆さんとの絆が一層深まったといえるでしょう。その後も、何度か異常気象や台風に見舞われましたが、絆は揺らぐことなく20年以上に渡り、今も素晴らしい山田錦とその他の酒米が栽培され続けているのです。ちなみに、酒米を「永田農法」にて栽培すれば、タンパク含有量が少なくなり、あまり精白の度合を上げなくても雑味の少ない酒になり、さらに生命力があふれる酒になり、栽培地域の風土を具現化したような味わいになるという傾向があります。さらに分かりやすく表現すれば、「永田農法」米を使った精米歩合60%の吟醸酒の味わいの素晴らしさは、通常の酒造好適米を使った精米歩合50%の大吟醸酒に匹敵するほどになるということです。 ところで、山田錦の栽培指導で有名な方に、故・永谷正治先生(元国税局鑑定官室長)がおられます。ご著書の「酒米〜山田錦の作り方と買い方〜」(永谷正治著株式会社醸界タイムス社初版平成8年2月25日発行増補版平成12年3月15日発行)は、酒米にこだわる蔵元なら知らない人はいないでしょう。徳島では、永谷先生は「阿波山田錦の神様」と讃えられています。そんな永谷先生に山田錦の栽培法を伝授されたのは、実は永田先生なのです。私が永谷先生に「高知の山田錦も見学にお越しください。」とお願いした際、「そちらは御本家の永田先生の直接指導ですから、心配ないでしょう。」と語られたほどです。つまり永田先生は、間接的ではありますが、山田錦栽培の全国普及に貢献された大恩人でもあるということなのです。 <永田先生から学んだこと> 永田先生に度々高知にお越しいただく中で、様々な野菜や果物等の栽培指導もいただきました。ブロッコリーの原産地は海沿いで、潮風があたる方が美味しくなることから、土佐清水市の海沿いにてブロッコリーの栽培指導をしたこともありました。さらに同市において、高糖度赤タマネギ「足摺レッド」の栽培とブランド化にも成功しました。タマネギが嫌いだという子供に「足摺レッド」を生のままかじってもらったところ、「あま〜い!これ、リンゴ?」と言ったという衝撃のシーンがNHKで放送されました。また、バジルは石灰岩質土壌の地域が原産地であり、そういう場所で育てたバジルは風味も効能も高くなることから、石灰の礫を埋めて栽培する手法が生まれました。高知市春野の「ファーム・ベジコ」(http://vegeco.jp/)の長崎さんのバジルは、イタリアンの巨匠・落合務シェフにも絶賛され、国内産で最高品質のバジルといわれています。 そんな中で私は、野菜や果物には「適地」と「旬」があるという、当たり前のことに気づかされたのです。「適地」や「旬」とズレた場所や季節に栽培するから、農薬や肥料が必要になるわけで、「適地」と「旬」を押さえていれば、農薬や肥料をほとんど使わなくても、糖度も栄養価も高い美味しいものが出来るということです。そして、「適地」と「旬」とは、まさに「地域性」と「季節性」であり、それらは日本酒最大の特性でもあります。さらに、地域の酒と地域の食は、切っても切れない深い関係性を持っています。ならば、地域の食文化の担い手として立ち上がることが、日本酒メーカーの大いなる使命なのではないか、と気づいたのです。そして、そんな思いから平成18(2006)年5月より毎月1回、土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」社員がコッソリ教える、土佐の旬のうまいものブログ、「旬どき・うまいもの自慢会・土佐」(http://tosa-no-umaimono.cocolog-nifty.com/)をスタートさせ、さらに平成19(2007)年5月からは毎月1回(初期は2回)程度のペースで配信する、無料のメールマガジン「日本の旬を10倍楽しむ秘訣!」(https://www.tsukasabotan.co.jp/old_magazine/BackNumber/BackNumber.html)もスタートさせ、どちらもそれなりの人気で現在も続いています。そしてさらに、当「酒道黒金流」も、そんな流れの中で誕生したものであるといえるでしょう。永田先生には、本当にいくら感謝しても感謝しきれません。 他にも永田先生からは、本当にたくさんのことを学ばせていただきました。栽培候補地の風向きや日当たりを見ること等はもちろん、周りに生えている草をかじってみることまで、農とは徹底した「現場主義」が大事なのだということを学びました。そして併せて、様々なお言葉やご著書から、理論的な面も学ばせていただきました。永田先生のご著書や永田農法関連の書籍は、多数出版されており、現在でも手に入るものが少なくありません。さらに詳しくは是非以下の書籍等をご参照ください。

●「美味しんぼ<7>大地の赤」(作:雁屋哲画:花咲アキラ小学館1986年12月1日初版発行)※永田先生が漫画の中に実名で登場。

●「<民間農法シリーズ>原産地を再現する緑健農法」(永田照喜治著農産漁村文化協会1987年5月1日発行)

●「美味しさの力〜生命あふれる奇跡の食材〜」(永田照喜治著企画・構成:飯田辰彦PHP研究所1998年10月18日発行)※司牡丹酒造も登場。

●「フルーツ・クリニック〜果物が糖尿病を治す〜」(外園久芳・永田照喜治著葦書房1999年10月20日発行)

●「蘇るおいしい野菜〜逆発想・永田農法の奇跡〜」(飯田辰彦著宝島社新書2000年8月24日発行)※司牡丹酒造も登場。

●「永田農法おいしさの育て方」(永田照喜治著撮影:岡田三男小学館2002年2月20日発行)

●「食は土にあり〜永田農法の原点〜」(永田照喜治著NTT出版2003年6月24日発行)※司牡丹酒造も登場。

●「おいしさはここにあり」(永田照喜治著写真:阿部伸治小学館2004年10月10日発行)※司牡丹酒造も登場。

●「糸井重里のつくって食べようおいしい野菜」(著者:糸井重里/永田照喜治/こぐれひでこ/NHK「糸井重里のおいしい野菜つくっちゃいました」制作班NHK出版2005年4月30日発行)

●「だれでもつくれる永田野菜(DVD・全10巻)」(企画:東京糸井重里事務所、カタログハウス制作:NHKエンタープライズ、クリエイティブネクサス、中央出版発行
・販売:だれでもつくれる永田野菜製作委員会2006年1月1日発行)※第10巻の「全国永田農法産地巡りの旅」に司牡丹酒造も登場。

●「おいしさのつくり方〜永田農法を家庭菜園で〜」(諏訪雄一<NHKエンタープライズプロデューサー>著小学館2006年2月10日発行)

●〈ひと目でわかる!図解〉「永田農法でかんたん、おいしい野菜づくり」(監修:永田照喜治・杉原葉子主婦と生活社2007年2月26日発行)

●「しっかり育つよ!ベランダ永田農法」(たなかやすこ著集英社be文庫2007年6月25日発行)

●「永田農法トマトの本〜プロのトマト料理簡単、旨いレシピ付き〜」(永田照喜治・永田まこと著小学館2008年2月19日発行)

●〈ひと目でわかる!図解〉「永田農法でコンテナ野菜」(監修:永田照喜治主婦と生活社2008年3月1日発行)

●「永田農法でつくるベランダ・屋上菜園」(永田洋子著水曜社2008年5月24日発行)

●「食は庭にあり〜家庭菜園で自給力をつけよう〜」(永田洋子・永田照喜治著NTT出版2009年4月24日発行)

●「奇跡の野菜〜永田農法は進化する〜」(永田照喜治著東洋経済新報社2010年12月10日発行)

●「それでも食料自給率100%は可能だ〜天才農業研究社のシナリオ〜」(永田照喜治著小学館101新書2011年2月1日発行)

●「決定版!永田農法の野菜づくり事典」(永田照喜治監修主婦と生活社2012年2月1日発行)

そして、たくさんの素晴らしい方々も永田先生からご紹介いただきました。「ラ・ベットラ」の落合務シェフ、「ヌキテパ」の田辺年男シェフ、「分とく山」の野崎洋光料理長等々、超一流の料理人の方々から、コピーライターの糸井重里氏や、通販業界伝説の人と言われる斎藤駿(すすむ)氏(カタログハウス元社長)まで、様々な分野の方々をご紹介いただき、本当に深く感謝いたしております。実は永田先生は、人の好き嫌いがハッキリした方で、ウマが合わない人とは、同席していても一言も会話を交わさないこともありました。経済的な面にも無頓着な方でした。そのため誤解されることも多く、敵対するようになる方も少なくありませんでした。そして失敗も少なくありませんでした。司牡丹としても、酒米の裏作としての無肥料の大豆栽培や、ヘチマ水づくり等が、失敗に終わりました。また、かなり話題になりましたからご存じの方も多いでしょうが、ユニクロが野菜の栽培と販売に乗り出した時なども、お手伝いさせていただきましたが、すぐに撤退されてしまいました。しかしそんな数々の失敗も、永田先生にとっては些末なことでしょうし、私にとっても今は良い思い出となっています。何より、何歳になっても、何度失敗しても、常に新たなことに挑戦し続ける好奇心の強さは、本当に見習いたいものです。 では最後に、永田農法による司牡丹商品をご紹介させていただきます。まず高知県産永田農法・山田錦100%使用商品は、「司牡丹・永田農法<山田錦>純米吟醸酒」(純米吟醸酒)、「生酛純米かまわぬ」(生酛仕込み純米酒)、「船中八策・生酛」(超辛口・生酛仕込み純米酒)等で、高知県産の永田農法米を100%使用した商品(山田錦以外も使用)は、「司牡丹・永田農法純米酒」(純米酒)、「司牡丹・米から育てた純米酒」(純米酒)、そして平成20(2008)年より毎年四万十町にて多くの人々を集めて田植えや稲刈りイベント等を実施(酒仕込み・酒搾り・製品化・楽しむ会等も実施)し、その人々の名前を裏ラベルに記載するという、四国地区限定販売の純米酒「日土人(ひとびと)」(純米酒)等があります。平成24(2012)年の「日土人」の田植え体験&交流会には永田先生も参加され、180名もの参加者の人々と共に、シンボルとなっていたメタセコイアの木の下で、「日土人」を大いに酌み交わし、バーベキューで盛り上がったことは、最高の思い出となっています。もちろんその他にも、永田農法米が一部に使用されている商品はいくつかあります。そして・・・平成27酒造年度、毎年特にタンパク含有量の少ない佐川町永野埴生ノ川(はぶのかわ)地区の永田農法・山田錦のみを精米歩合35%まで磨き、純米大吟醸酒を初めて仕込みました。その酒は、平成28(2016)年の全国新酒鑑評会において、最高位金賞に輝きます。兵庫県産以外の山田錦で、しかもアルコール添加無しの純米仕込みで金賞を受賞するというのは、全国的にも大変稀なことで、これは快挙といってもいいでしょう。その快挙を、永田先生と共に祝いながら、この酒を酌み交わしたいと考えておりましたが、同年9月1日永田先生はあまりに突然、永眠されてしまいます。同年10月9日に四万十町にて開催された「日土人」の稲刈り体験には、四国中から100名を超える老若男女の人々が集まりましたが、その交流会の開会時には永田先生の遺影を飾り、全員で黙祷を捧げさせていただきました。また同年12月3日には、高知市内の永田先生お気に入りのお店「草や」さんにおいて、「永田照喜治先生を偲ぶ会」を開催させていただきました。永田先生のご長男のまことさんにもお越しいただき、17名という少人数ではありましたが、関係の深い方々ばかりが集って永田先生の思い出話に花を咲かせました。その席での最初の献杯には当然、佐川町永野埴生ノ川地区の永田農法・山田錦を使った、「金賞受賞」の純米大吟醸酒が使用されました。ちなみにこのお酒は、現在は「座(THE)・司牡丹」(佐川町永野埴生ノ川産・永田農法「山田錦」使用・袋吊り搾り純米大吟醸原酒)として、毎年わずか250本(720ml)のみが製品化されています。

2012年の日土人(ひとびと) の田植え体験・稲刈り体験の模様

2012年の日土人(ひとびと) の田植え体験・稲刈り体験の模様

【門前編】「永田農法」創始者・永田照喜治先生から学んだこと(PDF形式:216KB)